研究課題/領域番号 |
61035008
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
目黒 煕 東北大, 農学部, 教授 (30005590)
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研究分担者 |
鈴木 建夫 東北大学, 農学部, 助手 (80005652)
大類 洋 東北大学, 農学部, 助教授 (20100050)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 亜硫酸 / 雨水 / 硫化水素 / N-(9-アクリニジル)マレイミド / 蛍光分析 |
研究概要 |
我々は、先に、チオール化合物と反応して強い蛍光を発する新試薬N-(9-アクリジニル)マレイミド(NAM)を開発し、同試薬が亜硫酸、及び、硫化水素とも反応し強い蛍光を発することを見い出したので、同試薬を用いての新しい環境分析への応用を本研究の目的とした。 本年度は第三年次として、まとめの研究を行った。(a)【SO_2】の蛍光分析法としては雨水中の微量測定法を開発した。雨水は5mlの試料をEDTA-溶液中に採取し、金属イオンをマスクする事により、【SO_2】の【SO_4】--への酸化を防止し、NAMを加え、蛍光発色させる迅速足量法を確立した。本法により0.1ppm以下の【SO_2】の直接定量が可能となった。(b)【H_2】Sの定量法として温泉水中含まれる【H_2】Sの発蛍光反応を確立した。又、土壌中の微生物による【SO_4】--還元力の測定法を開発した。感度としては、ほぼ0.1ppm程度の試料水を濃縮することなく直接定量することが可能となった。これらは、日ソ分析シンポジウム、及び、環境化学シンポジウムで発表した。 (a)雨水中の亜硫酸の定量:亜硫酸とNAMとの蛍光反応を利用し、雨水での定量を行った。ここでの問題点は、その亜硫酸濃度が0.1〜数ppmと微量であること、又、急速に水中の溶存酸素で酸化され減少することである。この酸化反応は【Mn^(++)】、【Fe^(+++)】などの重金属イオンで触媒されることが知られているため、HPLCを用いて他の蛍光物質と分離し定量した。これにより雨水中の亜硫酸を極めて簡単に測定することが可能となった。EDTA溶液中での亜硫酸は比較的安定で一時間後の減少は約25%であった。それゆえ、もし、発蛍光反応を一時間以内に行えば誤差は3%以下と考えられる。蛍光反応物は非常に安定で一週間放置しても殆んど減少しなかった。このことから非常に変化し易い亜硫酸を安定な化合物に導き定量することが可能となった。
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