研究課題/領域番号 |
61035019
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮 義璋 東大, 医学部, 講師 (50010046)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 環境汚染物質 / 神経毒性 / 軸索内輸送 / コルヒチン / ββ-イミノジプロピオニトリル(IDPN) / アクリルアミド / 脊髄後根神経節 / ニューロフィラメント |
研究概要 |
神経系に毒性を有する各種薬物は、その主な作用部位により幾つかのグループに分けることが出来る。各群の代表的な薬物につきモデル系を作成し、その作用機構をin vivoで解析し、以下の結果を得た。 1.コルヒチンの神経毒性 コルヒチンは微小管の構成蛋白であるチューブリンの輸送のみを選択的に阻害する。この阻害作用はチューブリンが細胞体から軸索へと積みだされる所にのみ作用すると考えられる。この作用機構につき更に検討を加えつつある。 2.β,β-イミノジプロピオニトリル(IDPN)による神経障害:IDPNはニューロフィラメント(NF)構成蛋白の輸送のみを阻害する。この時NF蛋白の合成は阻害されないため軸索起始部にNFが蓄積する。IDPNを投与した直後にNF輸送は1週間たらず完全停止し、その後対照の約1/2の遅い速度で再び動き出し、約6週間後に正常の速度に回復する。IDPNの阻害作用には1.0g/kg体重付近に閾値があり、それ以上3.0g/kgまで投与量を増やしても阻害作用は変わらない。しかし投与総量は2.0g/kgであってもそれを一時期にではなく、1.0+0.5+0.5g/kgに分けて4日おきに投与すると一回で投与した場合に比べて阻害効果が増強される。投与間隔を1週間或は2週間にすると加算効果は殆ど見られない。この結果からもIDPNの投与直後にはNF輸送の完全停止期間があり、その長さは4日よりは長く、1週間よりは短いという推定が支持される。 3.アクリルアミドによる神経障害:アクリルアミド中毒ラットでは遅い速度で輸送される蛋白の輸送速度が、同じ週齢の対照に比べて加速されている事を見出した。しかしこの変化はアクリルアミドによる直接作用によるものではないと思われるので、その直接作用を知るべく大量投与直後の軸索内輸送変化につき現在解析を進めつつある。
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