研究課題/領域番号 |
61035037
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
奥 彬 京工繊大, 工芸学部, 教授 (50027885)
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研究分担者 |
森 邦夫 岩手大学, 工学部, 助教授 (80003870)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1986年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 有機ハロゲン物質 / ポリ塩化ビニル / フッ素樹脂 / ナフタレニド / 還元的脱ハロゲン処理 / Birch還元法 |
研究概要 |
今年度は、現在国内の都市ゴミ中の最多有機ハロゲン物質となったポリ塩化ビニル(PVC)、ならびに最近工業生産量が急増しつつある有機フッ素系樹脂の2種類の固体有機ハロゲン物質を対象とした還元的脱ハロゲン処理を検討した。 PVCの脱塩素処理。 平均重合度700のPVCの乾燥THF溶液に必要に応じてtert-BuOHを加え、この溶液を異なる処理条件のもとにナフタレンラジカルアニオンで処理した。H+源非存在下では塩素1原子あたり1.5倍の還元剤で脱塩素率は100%に達したが、処理ポリマーはTHFに不溶となった。H+源存在下では100%脱塩素させるのに2.5倍以上の還元剤が必要だが処理ポリマーはTHF可溶であるので、処理ポリマーの再利用の上で興味深い。H+非存在下の処理ポリマーは共役多重結合を有し、またナフチル基や環状構造も持つことがスペクトル分析から示された。つぎに還元法としてBirch法を検討した。この処理法は不均一系処理法であり、処理ポリマーの分離が容易であるのが特徴である。共溶媒THFを加えるとH+源が存在しても脱塩素率は向上した(最高87%)。処理ポリマーはいずれも黒色あるいは濃褐色を呈し、高融点の不溶性固体となり、ポリアセチレン類似の構造を持つことが示された。 ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)の脱フッ素処理。化学的に極めて安定と思われているフッ素樹脂もナフタレニドにより穏和な条件下で還元的に脱フッ素した。ことに反応のほころび目(塩素)を持つPCTFEは容易に脱フッ素化した。例としてDaifloil-#10を1.5倍当量のナフタレニドで処理すると脱塩素率100%,脱フッ素率96%まで達した。一方THF不溶のDaiflon-M900ポリマーも同様の処理により脱塩素率100%脱フッ素率86%まで達した。
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