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桜島周辺に生息する藻類共生腔腸動物群集の環境海水浄化に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61035058
研究種目

環境科学特別研究

配分区分補助金
研究機関鹿児島大学

研究代表者

柿沼 好子  鹿大, 理学部, 教授 (50004312)

研究分担者 市川 敏弘  鹿児島大学, 理学部, 助教授 (30109110)
塚原 潤三  鹿児島大学, 理学部, 助教授 (20008923)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1986年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
キーワード海水淨化 / 物質の出入り / 生態的サイクル / 種間関係 / 腔腸動物と藻類共生 / タコクラゲ / サカサクラゲ / サンゴイソギンチャク
研究概要

本研究は、桜島周辺に夛数生息する腔腸動物、タコクラゲ,サカサクラゲ,サンゴイソギンチャクの藻類共生種において、これらの種の生活環境に対する物質的出入力をモデル実験により測定、環境形成能力を把握し、生態サイクルの中での機能的役割について検討することを目的とした。実験の結果、浮遊生活のタコクラゲは、環境水中の無機懸濁物を自ら分泌する粘液に絡めて、更に植物及び動物プランクトンを抱含し懸濁物を肥大させ、懸濁物沈降促進効果をもたらすこと、一方、底生生活のサカサクラゲは、すでに沈降している懸濁物を有機物塊として底質に不均一な構造を形成し、これを底生生物の餌として生態系の食物連鎖の中に組み込む機能的役割をもつことなど、二種水母が生態系における懸濁物の浄化と維持機構の重要な役割をもつことが明らかにされた。更にサンゴイソギンチャクを加えた3種の共生藻類腔腸動物の有機態窒素,無機態窒素,亜硝酸窒素,硝酸態窒素,有機態燐,無機態燐,溶存酸素量及び水素イオン濃度等の生活による水質変動を測定した結果、窒素や燐など生物種による明らかな相違がみられ、環境形成能力の相違が示唆された。また、水質測定と平行して検討した体内共生藻の形態と挙動により、種による環境形成能力の相違のみならず、藻類の共生の状態や共生機構の種特性としての生物学的重要性が今後の課題として残された。本研究結果の特記すべきことは、三種共生動物が環境に対し著しい溶存酸素量を上昇させ、これらの動物群が生態系の中で第一次生産者として働いている事だけでなく、今日行われている水質浄化の活性汚泥法と同等の工業的システム効果を示唆し、加えて懸濁物を淨化し、海域の水質を淨化する一種の汚水処理場であるという驚くに値する事を表している。今後、更に実験を重ね、詳細に追求することが海洋生態系の物質循環とそこに生息する生物との関りについて考察を深めるものであろう。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 柿沼好子,塚原潤三,市川敏弘: 文部省科学研究費特別研究「環境科学」研究広報. No.37. 125-127 (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 柿沼好子,塚原潤三,市川敏弘: 文部省科学研究費特別研究研究報告書. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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