研究課題/領域番号 |
61035066
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
平田 彰 早稲田大, 理工学部, 教授 (00063610)
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研究分担者 |
保坂 幸尚 早稲田大学, 理工学研究所, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | シアン / チオシアン / 流動層 / 生物学的水処理 / 生物膜法 / 接触曝気 |
研究概要 |
製鉄所のコークス炉廃水などに含まれる有害・難分解性物質であるシアン・チオシアンの生物酸化分解を行なったところ、以下に示す知見を得た。 1.チオシアン分解菌の馴養: コークス炉廃水の活性汚泥処理施設より種汚泥を採取し、汚泥抜き取り操作,ステップ状の滞留時間短縮操作,ステップ状の基質濃度増加操作を駆使して、チオシアン馴養を行なった。この馴養の結果、約70日で入口チオシアン濃度200ppmを95%処理可能とする分解菌を得た。また、チオシアン分解菌は壁面に付着しやすい性質を持つので、チオシアンの処理には活性汚泥法より生物膜法の方が向いていることが判明した。2.接触曝気型流動層によるチオシアン処理: 接触曝気型流動層を用いてチオシアン処理を行なったところ、この装置による処理方法がチオシアン処理に向いていることが判明した。また、実験過程で、入口濃度に変動を与えると出口濃度が逆転する現象が認められた。これは、変動のショックによって、生物膜に吸着されていたチオシアンが放出されて濃度が増加したためと考えられた。この現象は、馴養時にも確認された。処理実験結果を、先に著者らが提出した生物膜法の処理特性式に適用したところ、チオシアンの処理はO次反応であることが判明し、その処理特性値Kの値は、K=7.58g/【m^2】aayと得られた。 3.シアン・チオシアン複合基質の処理: シアン・チオシアンの複合基質を活性汚泥法で回分処理したところ、チオシアンの処理は初発シアン濃度にかかわらずシアン濃度が約0.2ppmに減少して初めて進行した。このことからシアン・チオシアンの処理は、(1)シアン,(2)チオシアンの順に進行することが判明した。また、シアン共存下でのチオシアン比基質除去速度を計算すると、シアン無添加の場合に比べて約1/2に低下した。これより、シアンはチオシアン処理に阻害を示すことが判明した。
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