研究課題/領域番号 |
61040038
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研究種目 |
エネルギー特別研究(エネルギー)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 志郎 京大, 原子炉実験, 教授 (50027398)
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研究分担者 |
森武 三郎 放射線医学総合研究所, 主任研究官 (00166357)
杉山 始 放射線医学総合研究所, 研究室長
中島 敏郎 久留米大学, 医学部, 教授 (40080577)
畠山 茂 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (30045926)
秋田 康一 茨城大学, 名誉教授 (30011406)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1986年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
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キーワード | トリウム / トロトラスト / 生存曲線 / 肝血管肉腫 / 赤血班貧食像 / 可搬型呼気トロン測定器 / トリウム体内負荷量 / 放射線生物学的線量効果評価 / 日本病理剖検輯報データベース |
研究概要 |
1.研究目的: トリウムを核燃料として安全に使用するための基礎研究として、トリウムが、体内に侵入した場合の人類への影響について研究する。 2.研究成果の概要: (1)疫学的研究(森)-わが国の「トロトラスト」血管内注入者のうち、注入時年令が20〜34才の221例につき、5才階級別に生存曲線を求め、それと同一年令層の対照者の生存曲線を注入後47年間にわたって比較した。その結果、「トロトラスト」注入群の生存曲線が注入後30年以降では対照群のそれより低下することが明らかになった。(2)病理学的研究(畠山・中島・入江)-組織学的検索が行われた38例の「トロラスト」血管内肉腫のうち6例で腫瘍細胞による赤血班貧食像が認められた。肝血管肉腫は肝悪性腫瘍中極めて稀にしか見出されないもので、38例もの多数の症例が組織病理学的に検出されたことは貴重な成果といえる。(3)臨床的研究(始山・安倍)-本年度に放射線医学総合研究所で検査を受けた19例の「トロトラスト」沈着症例の臨床所見につき研究した。また、久留米大学医学部では九州地方の「トロトラスト」患者の肝類洞細胞の形態と機能を中心に研究した。(4)放射線物理学的および放射化学的研究(加藤・岩田)-昨年度予算で製作した「可搬型呼気トロン測定器」を用いて、5施設における22人のトロトラスト被注入者呼気中のトロン量を測定し、トリウム体内負荷量を評価した。また、「トロトラスト」被注入者剖検例の骨髓および脾臓の組織切片を京大原子炉(KUR)で中性子放射化分析を行い、これら臓器でのトリウム沈着量の評価を試みた。(5)トリウム系放射能の放射線生物学的線量評価のための統計的研究(福富・馬場・秋田)-日本病理剖検輯報データベースに準拠して、「トロトラスト」被注入者基本データベースを作成するため、約300例の「トロトラスト」被注入者のデータを入力させた。
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