研究課題/領域番号 |
61050050
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研究種目 |
エネルギー特別研究(核融合)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
住吉 文夫 鹿大, 工学部, 講師 (20136526)
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研究分担者 |
岩熊 成卓 九州大学, 工学部, 助手 (30176531)
久保田 洋二 日本大学, 理工学部, 助手 (40059738)
大串 哲彌 鹿児島大学, 工学部, 教授 (10041568)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1986年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 【Nb_3】Sn / 超電導 / 導体 / 損失 / ケーブリング / 有限要素法 |
研究概要 |
磁気閉込型核融合炉には高磁界パルスマグネットが必要とされるが、超電導【Nb_3】Sn線材は優れた高磁界パルス導体となる可能性を秘めている。これは(1)【Nb_3】Snの臨界温度がNbTiに比べて高く高い温度マージンがとれる。(2)【Nb_3】Snの拡散反応層は通常1μm厚程度である為にフィラメント径が細く履歴損失が小さい、(3)母材がブロンズでその導電率が小さい為に結合損失が小さい、という本質的な特徴を有していることによるものである。しかしながら実状は、高磁界直流マグネット用としてわれているにすぎない。 本研究の目的は、高磁界パルスマグネット用としての【Nb_3】Sn線材の電磁特性を充分に把握した上で、これを実用化する際に重要な導体化(ケーブリング)の方法について検討を行い、低損失【Nb_3】Sn導体の構造設計に資することである。我々はまず、(1)Taバイヤをもつ線材、(2)Nbバリヤをもつ線材、(3)ダブルスタッフ型の線材、(4)Nbチューブ法による線材の計4類の 【Nb_3】Sn線材の損失特性を比較した。これらの検討結果から一般的な線材設計の指針が得られるが、これらの線材は応用の際ケーブリングされ導体という形で使われる為、付加的に発生するストランド間結合損失まで含めた低損失化の議論が必要である。本研究では、断面構造が複雑化してきた実用【Nb_3】Sn導体の損失特性をより定量的に評価する為に、有限要素法を用いた数値解析を行った。有限要素法を超電導体の電磁現象に適用した例は従来なく、我々はまずこの場合の適用上の問題点を抽出し検討した。次に、これらの基礎的な考察を基にして、線材を3本ずつケーブリングした数種類の導体の損失計算に実際に適用し、種々のパラメータが導体の損失にどの様に影響しているかを調べた。以上本研究では、複雑な断面形状をもつ実際の【Nb_3】Sn導体の損失を定量的に評価する方法を確立し低損失導体を得る為の指針を与えた。
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