研究課題/領域番号 |
61050051
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研究種目 |
エネルギー特別研究(核融合)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
児玉 隆夫 阪市大, 理学部, 助教授 (90047192)
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研究分担者 |
小林 久恭 日本大学, 理工学部, 専任講師 (30059513)
畑 徹 大阪市立大学, 理学部, 助手 (10156333)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1986年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 超流動ヘリウム / 加圧超流動ヘリウム / 熱パルス / ボルテックス / ハイブリッド冷却 |
研究概要 |
超流動ヘリウム中を伝わるパルス的なエネルギーの伝達機構を調べるためにi)パルス間隔が熱パルスに与える影響、ii)熱パルスの冷却チャンネル構成材料依存性の二点について調べた。ヒーターで作られた熱パルスは測定セル内を何回も反射しながら減衰し、0.1〜0.2秒後には完全に消滅し温度計等で測定する限りでは系は元の状態に戻っている。これまでは1秒毎にパルスを発射して測定していたが、パルス間隔を変えて測定を行ったところ大きく変化することが見い出された。これは熱パルスによって生成したボルテックスのようなものがHe【II】に残っていてそれが次の熱パルスの形成を阻むためと考えられる。次に冷却チャンネルを構成する材質による違いを見るために内径1.6φ長さ3cmの銅パイプ51本と同径のスタイカスト製のチャンネルについて飽和蒸気圧下および1気圧のHe【II】中での熱パルスの供給エネルギー依存性を調べたが、両条件下とも材質の違いによる特性の大きな変化はなかった。 伝熱特性の良い1気圧の加圧超流動ヘリウム(He【II】b)と、熱交換効率の良い飽和超流動ヘリウム(He【II】s)で、超電導コンジットの外周部と管内部を同時に冷却し安定化するハイブリッド冷却(HBC)を試みi)HBCシミュレーションテスト、ii)HBCモードのHe【II】s熱移送特性の二点に互って研究が進められた。HBC超電動コンジットでは、特にHe【II】sが次の三つの効果によってHe【II】b以上の冷却効果に改善されることが判った。i)長尺細管流路が長さ方向に関し非対称加熱されることにより熱機械効果が起る。このため質量流が誘起され、流体増加分パルス加熱に対し附加的なエンタルピー吸収が起る。ii)熱機械効果は圧力上昇を促す。iii)超流動状態崩壊に必要な臨界熱束値(Qc)を印加すると、一時的に液温が上昇するが、熱束を更に増加しても膜沸騰まではカピッツァ領域レベルの低温に保持される。i)ii)はQcの増大,iii)は破局的昇温の抑制に繋り、安定化を促進する。
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