研究分担者 |
菅原 勝伴 北海学園大学, 法学部, 教授 (20047955)
西嶋 梅治 法政大学, 法学部, 教授 (40061048)
庭田 範秋 慶応大学, 商学部, 教授 (40051106)
浅野 直人 福岡大学, 法学部, 教授 (90078494)
鈴木 辰紀 早稲田大学, 商学部, 教授 (10063489)
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研究概要 |
第1回「大学と科学」公開シンポジウム(62年1月30日,31日)において第3班の研究成果の一部を報告した。損害賠償制度については、交通災害の特色を明らかにしたうえで、基本としての不法行為システムがその枠内でなお改善の余地があるかどうかを考察し、改革の方向を展望した。例えば、因果関係についてみると、因果関係の考え方が、「あれなければ、これなし」の考え方から「寄与度に応じた割合的因果関係」の考え方へ転換しそれが実務に定着したことを明らかにした。 保険制度では、交通災害被害者の救済と保険制度の機能について考察し、日本独自の制度である二本建て構造(自賠責保険(強制保険)と対人賠償保険(任意保険)の制度)が、被害者救済において大きな機能を果たしてきたが、反面、支払い抑制のシステムがきわめて弱いことを明らかにした。 社会保障では、交通災害に社会保障で対応することの問題点を指適した。 上記シンポジウムに先立ち、61年11月22日に3班の研究報告会を開催した。間接被害者の揖害賠償請求,後遺障害被害者の救済,慰謝料の改革,共同不法行為の改革,遅延利息・弁護士費用,好意同乗と共同不法行為,定期金賠償,交通災害紛争処理手続の改革などのテーマで報告・討論を行った。 なお、研究の当初は、ニュージーランドなどで先進的制度の日本への導入可能性を大きな柱としたが、その後日本の社会的実情が変わってきたため、根本的見通しが必要となり、現行の日本の制度を再評価し、不法行為への回帰が浮かび上ってきたものである。
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