研究課題/領域番号 |
61103005
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
国武 豊喜 九大, 工学部, 教授 (40037734)
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研究分担者 |
岡畑 恵雄 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80038017)
新海 征治 長崎大学, 工学部, 助教授 (20038045)
梶山 千里 九州大学, 工学部, 教授 (60037976)
竹中 亨 京都大学, 化学研究所, 教授 (00027020)
福田 清成 埼玉大学, 理学部, 教授 (80008789)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
1986年度: 25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
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キーワード | ラングミュア・ブロジェット膜 / 二分子膜 / 単分子膜 / 界面スペクトル / 光電子分光法 / 物質透過 / 液晶 / 高分子複合膜 |
研究概要 |
情報変換機能をもつ有機薄膜開発の基礎として、昨年度に引続き、分子配列の高度化と精密測定、組織構造と関連する機能開発を行った。 まず、アゾベンゼン基を含む水面単分子膜の反射スペクトルから、表面圧の変化に伴う分子配向の変化、膜ドメインの形成などの新しい知見が容易に得られることがわかった。この化合物の水-四塩化炭素界面への吸着膜について全反射法を用いてスペクトル測定を行うと、発色団が界面に垂直に配向して液晶状態となることが示された。電子分光法によるキャラクタリゼーションにおいては、PIES/UPS装置を用いてピレン環を含むLB膜を測定し、ピレン環のπ軌道が膜面に露出していることを確認することが出来た。LB膜の微細構造の解明はこれらの新しいスペクトル的手法により容易となったが、他方、一様かつ緻密な単分子膜を得る条件を倒立型蛍光顕微鏡で探索し、溶液から単分子膜が析出する過程が通常の3次元結晶の場合と同じく重要であると結論した。 新しいLB型薄膜の素材としては、フルオロカーボン鎖を含むクラウンエーテル化合物を用いると、高分子1液晶複合膜中で【K^+】のほぼ完全な透過制御が可能となる。この複合膜のガス透過性は電場下での液晶分子の配向変化により制御される。また、キラルスメクチック相を示す液晶を用いるとすぐれた電気光学効果が認められた。一方、数種のオリゴチオフェン誘導体、ピラジン環を含む長鎖化合物、発色団を含むアミノ酸などを合成し、これらがLB膜を形成して興味深い電気的、光学的特性を示すことを明らかにした。 安定なLB型薄膜を得るためには高分子化が有効である。この目的のため、シラン型単分子膜をLB法で累積して透過制御に有効であることを示し、また、ポリN-ビニルカルバゾールを含むLB膜の作製と光機能の解明、ビニル基を含むLB膜の重合を検討した。
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