研究課題/領域番号 |
61105003
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻川 郁二 京大, 理学部, 教授 (20025224)
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研究分担者 |
高橋 利宏 学習院大学, 理学部, 助教授 (60163276)
小林 速男 東邦大学, 理学部, 教授 (60057635)
石黒 武彦 電子技術総合研究所, 基礎部長
斎藤 軍治 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40132724)
鹿児島 誠一 東京大学, 教養学部, 助教授 (30114432)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1986年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
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キーワード | 伝導性錯体 / エキシトン超伝導体 / 有機超伝導体 / 超格子構造 / 低次元超伝導 / BEDT-TTF / 分子性超伝導体 |
研究概要 |
(1)β-【(BEDT-TTF)_2】【I_3】では、約1Kbarの圧印加によって【T_c】=1.1〜1.5Kの低【T_c】状態から【T_C】=7〜8Kの高圧状態に不連続的に変化する。この2つの超伝導状態は175K以下で出現する非整合超格子の存否と相関していることを考慮し、【I_3】を【IBr_2】、【AuI_2】などへのアニオン置換によって、LatticePressure効果を実証し、アニオン配列の不規則性や欠陥の導入よって超伝導が抑制されること、【CH_2】基の重水素化によって超伝導も超格子構造も変化しないことを明らかとし、超格子の出現によって低【T_c】状態が実現しているこを明らかとした。またNMRを圧力下で測定して〜2Kbarの圧力下で超格子構造が消失していることを確かめた。 (2) θ-【(BEDT-TTF)_2】【I_3】およびK-【(BEDT-TTF)_2】【I_3】が共に超伝導体であることを発見した。それらの【T_c】はともに3.6Kである。X線構造解折を行ない、BEDT-TTF分子のつくる二次元金属層と【I_3】アニオンのつくる層が交互に積層した構造をもち、二次元等方的金属状態が実現していることを明らかとした。これらは分子性金属系として従来にない新しいタイプのものである。 (3)【(TMTSF)_2】【PF_6】のSDWの圧力依存性をNMRの測定によって調べ、SDW安定化の機構としてネスティングを強く支持する証拠を得、またSDW転移点以下の温度で【T^(1-1)】の明らかな異常を伴う新しい相転移を見出した。 (4)【(TMTSF)_2】Cl【O_4】の超伝導状態のNMR測定より、フェルミ面上のある部分でギャップの消失した異方的超伝導を見出した。 (5)(BEDT-TTF)系、(【TTC_n】-TTF)系、【TT_e】F系、【TT_e】T系、HCBD系などにおいて、分子未端のキャップ効果、非対称性分子導入の効果などを研究中で、新しい有機超伝導体の開拓を目指している。 (6)遷移金属錯体としては、Pt配位子置換型錯体で、KCPの場合よりPt間距離の短かいものを合成したが、ヘリウム温度まで伝導特性が金属的なものはまだ見つからない。
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