研究分担者 |
小林 彰夫 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (40005591)
中村 良 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023398)
鬼頭 誠 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60027183)
土井 悦四郎 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (40027181)
森本 俊文 大阪大学, 歯学部, 教授 (20028731)
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研究概要 |
食品の受容性に食品のもつ感覚的要素がどのように関係しているかについて食品の化学的ならびに物理的性状との関係および生体側の感覚受容機序の面から解析した。生体側の機序については6名の班員がこれを担当した。河村はハムスター大脳皮質味覚領ニューロンの機能特性を、栗原はラットの味覚神経線維の反応を、小野田はイヌの大脳皮質嗅覚領ニューロンの機能分析を、大村はサルの視床下部摂食中枢および飽満中枢からの空腹物質ならびに満腹物質の抽出,同定をそれぞれ行なった。また小野はサルにつき好きな食物と嫌いな食物を視覚的に弁別する行動の脳機序を記録分析した。森本はウサギを用い食品の物性に適合した咀嚼動作を行なうのに歯根膜よりの感覚情報がどのように関与するかを分析した。これら生体機序についての研究から,食品から人が受ける各種感覚要素がそれぞれの感覚神経を介し大脳皮質に伝えられ,視床下部の中枢に働きかける神経生理学的機序の大綱が明らかになった。食品側の研究は7名の班員がこれを担当した。加藤は肉エキスの熟成による味の変化と遊離アミノ酸の量および質との関係を,鴻巣は水産食品につきアミノ酸含量と味との関係を,鬼頭は大豆加工過程で発生する大豆嗅の生成機序を,小林はかつおぶしのダシ汁の香気成分を分析した。土井は卵白ゲルを用い,中村は脂質・タン白質複合体を用いてそれぞれ食品のテクスチャーに関与する化学反応を分析した。本間は食品加工中に生成される褐色色素メラトニンと金属イオンとの相互作用が食品の色調や坑酸性化に関与することを明らかにした。以上のごとく本研究班では食品にとって極めて重要な感覚機能を学際的にかつ綜合的にとりあげ,食品を選択し、嗜好するのに関与するメカニズムを明らかにした。
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