研究課題/領域番号 |
61109006
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
亀山 正邦 京大, 医学部, 教授 (30101231)
|
研究分担者 |
岩田 誠 東京大学, 医学部, 助教授 (90107665)
朝長 正徳 東京大学, 医学部, 教授 (10072977)
飯塚 礼二 順天堂大学, 医学部, 教授 (00052952)
西村 健 大阪大学, 医学部, 教授 (70028455)
藤原 元始 京都大学, 医学部, 教授 (90025536)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
21,500千円 (直接経費: 21,500千円)
1986年度: 21,500千円 (直接経費: 21,500千円)
|
キーワード | アルツハイマー型痴呆 / アセチルコリン / 受容体 / 脳移植 / Pick病 / アルツハイマー神経原線維変化 / SPECT / 青斑核 |
研究概要 |
アルツハイマー病・アルツハイマー型痴呆(ATD)の成因・病態について、多角的に検討した。亀山らは、痴呆例における髄液および血漿アセチルコリン・エステレース(AChE)活性を測定した。髄液内AChE活性については、ATDのうち、65歳未満発症例では平均値より低下しているが、高齢発症の老年痴呆では、低値のもの・高値のものが混在していた。血漿AChE活性の測定では、ATD、小脳変性症で低値を示した。この方法は臨床症候と組み合わせることによって、ATDのperipheral markerとして使える可能性を示唆した。藤原らは、ATD脳における受容体の変化のうち、今回はヒト脳を用いてアドレナリン受容体のうちβ受容体(【β_1】【β_2】)を検索した。ATD脳内ではβ受容体、【β_2】受容体、ベンゾジアゼピン受容体がそれぞれ特定の部位で変化していることを指摘した。飯塚らは、老齢ラットの脳移植の予備段階として、正常老齢ラットのinsitvの腹側淡蒼球および青斑核の神経細胞体の面績の老化性度化を2ケ月齢、25ケ月齢ラットを用いて比較した。腹側淡蒼球の脳実質内移植の結果、生着率は低いが大脳皮質内に神経突起を伸ばしているコリン作動性ニューロンが証明された。また、青斑核の側脳室内移植を試み、その生着を確認している。朝長らは、pick病のpick咾銀球を免疫組織化学的に検討した。咾銀球はAlzheimer神経原線維変化と同一のepitopeを有すること、それに対し、汎発亜型の封入体はnon-phosphoryated neurofilamentのepitope、も有している。Pick細胞とPick球には、免疫組織化学的に共通性が存することを指摘している。岩田らはATD6例に対して放射化IMPによるSPECTを行って、全例に、皮質機能低下の明らかな左右差を認めている。このことはATDの変性過程が左右半球内で同時に進行するものでない可能性を示唆する。本症の剖検脳について生化学的な検索を行うにあたっても重要な知見である。
|