研究課題/領域番号 |
61113004
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊沢 峰夫 東大, 理学部, 教授 (60022571)
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研究分担者 |
井田 喜明 東京大学, 地震研究所, 教授 (30013535)
唐戸 俊一郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10111585)
大谷 栄治 愛媛大学, 理学部, 助手 (60136306)
沢本 絋 名古屋大学, 理学部, 助教授 (00022707)
藤井 敏嗣 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00092320)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
21,400千円 (直接経費: 21,400千円)
1986年度: 21,400千円 (直接経費: 21,400千円)
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キーワード | マントル物質 / 溶融関係 / PhaseB / 元素分配 / 超高圧実験 / ガーネット相 / 地球形成 / 分化 |
研究概要 |
マントル物質のダイナミックスを理解するためには、超高圧高温下での相関係、物性を知ることが必要である。ことため、本年度は20GPaまでの超高圧2500℃程度の高温を安定に発生させるための技術を完成した。これを用いてマントル物質およびそのアナログ物質である【Mg_2】【SiO_4】-MgSi【O_3】系について20GPa付近での溶融関係の解明を行なった。その結果、約20GPaの圧力においてはマントル物質の溶融ではガーネットが最終的に液を共存できる鉱物であることまた液相温度付近で含水鉱物である"PhaseB"が安定に存在することが確認された。このことは、地球形成史の初期において、マントルが部分的に溶融している状態では、高密度のガーネットの沈降による分化が生じ、上部マントル下部にはガーネット・パイロキシンに富む、ペリドタイトに比べると【SiO_2】に富む層が形成された可能性が高いことを示している。また含水鉱物が上記のような条件下で安定であることから、揮発性成分やそれと似た化学的挙動をとるLLEも上部マントル下部に固定された可能性がある。その際、液と固相間の元素の分配関係は、これまでマントルに存在すると考えられていた固相から予想されていたものとは異なることが考えられるので、マントルの層構造が、上部マントルのごく浅部の物質からの知見から予想されているものとはかなり異なっている可能性が考えられる。 また超高圧下でのマントル物質の弾性的性質を明らかにするため大試料部を静水加圧し、超高圧を得るシステムの開発を行なった。その結果、8GPaまでの超高圧静水圧下で鉱物の弾性波速度を測定できる方法が可能となった。 更に東大地震研に設置したRH3型ガイドブロックを前前年度購入したプレスと組合せ、超高圧発生装置を完成させた。この装置を用いて、メルトの粘性を8GPaまでの超高圧下で測定する方法を開発した。
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