研究課題/領域番号 |
61113009
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
丸茂 文幸 東京工大, 工業材料研究所, 教授 (10013492)
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研究分担者 |
虎谷 秀穂 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20143662)
森川 日出貴 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (80016815)
松本 松生 金沢大学, 理学部, 教授 (20019467)
佐藤 満雄 郡馬大学, 工学部, 助教授 (20008428)
久米 昭一 大阪大学, 教養部, 教授 (00029604)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
1986年度: 16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
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キーワード | 造岩珪酸塩系 / 透輝石 / クロムスピネル / 灰長石 / baddeleyite / 徴量成分 / 融体の構造 / 圧力相転移 |
研究概要 |
造岩系として重要なCaO-MgO-【Al_2】【O_3】-Si【O_2】系に少量の【Cr_2】【O_3】が添加された場合、相平衡及び融体の構造にどのような影響が生じるかを調べた。まず、透輝石CaMg【Si_2】【O_6】-クロムスピネルMg【Cr_2】【O_4】系ではMg【Cr_2】【O_4】が1.4wt%まで単斜輝石1相領域が存在するが、1.4wt%以上ではピクロクロマイトが晶出する。またCaMg【Si_2】【O_6】-Ca【Al_2】Si【O_6】-CaCrAlSi【O_6】系ではスピネルの液相線が極めて広く、単斜輝石及び灰長石の液相線は非常に狭い。この系において液と共存するスピネルと単斜輝石のCr含有量は、前者では極めて高いが、後者では低い。【H_2】Oの存在下では、何れの結晶相についても、Cr量の増大が認められる。 CaMg【Si_2】【O_6】にMg【Cr_2】【O_4】を2wt%加えたガラスのEXAFSスペクトルの解析から、このガラス中での平均Cr-0距離は2.01【A!゜】で、6配位【Cr^(3+)】-O距離に等しいことが示された。一方、X線回析及びEXAFS分光実験から、CaMg【SiO_6】にCaTi【Al_2】【O_6】を加えたガラス中では可成りの部分のTiが4配位状態にあるという結果が得られた。これらの事実から、造岩珪酸塩系に少量の【Cr_2】【O_3】が加わった場合にスピネルの初晶領域が著しく増大するのは、Crが強い網目修飾イオンとして働くためであり、一方、Ti【O_2】を加えても相平衡に及ぼす影響が比較的小さいのは、Tiが4配位をとり、網目形成イオンとして働くためであることが推定される。 圧力相転移に及ぼす徴量成分の影響を調べる目的で、baddeleyiteの主成分であるZr【O_2】に【Y_2】【O_3】を2mol%添加した徴粉体を作り、これを700℃・6GPaまでの温度・圧力条件で処理した。主成分を粉末X線回析及びラマン分光法で同定した結果、斜方晶の対称をもつ相の出現を確認した。この相の生成量と出発物質における単斜晶相の減少量には相関性が認められ、斜方晶相は単斜晶相の相転移によって生成することが明らかになった。
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