研究課題/領域番号 |
61113013
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
甲斐 昌一 九工大, 工学部, 助教授 (20112295)
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研究分担者 |
古川 浩 山口大学, 教育学部, 助教授 (10108269)
川崎 恭治 九州大学, 理学部, 教授 (40037164)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | precipitation / non-equilibrium / electrohydrodynamics / pattern formation / scaling / lognormal distribution / 沈殿パターン / リーゼガングリング |
研究概要 |
本年度においては巨視的沈殿に見られるパターンの形成過程、特にリーゼガングリングの形成過程を計算機シミュレーションと光学的計測の両面から行った。計算機シミュレーションでは従来濃度勾配のある場合には考えられていなかったオストワルドライプニングを考慮し、沈殿過程のダイナミックスを3つの発展ステージに分割し、その熟成機構を反応と拡散方程式中に導入した。この3つの発展ステージは各々モノマー反応過程コロイド形成過程と熟成成長過程である。光計測ではマッハツェンダー干渉計と光透過画像処理装置と並用して反応とコロイド粒子の形成過程を観測した。この結果次のような事実が明らかとなった。(1)サブリングがシミュレーションにより得られた。(2)一旦生じた沈殿が溶け、沈殿の集中化現象が見られた。これは光学的に観測された結果と良い一致を示した。(3)スペース則が示され、かつその反応速度依存性なども実験結果と良い一致を示した。(4)本研究で行ったオストワルドライプニングを含んだ方程式は勾配のある方向に対しては安定であるが、ない方向には不安定であり、不安定性に起因したサブ構造を作る。この場合この不安定性は物質の拡散速度や界面張力に依存して決まる。(5)Pb【I_2】系はバンド内にサブ構造が生じやすく、より不安定度が高いが、Mg【(OH)_2】系は安定性がよいことが分かった。 結論としてこのような拡張した考え方は過飽和理論と不安定性理論の双方を内部に含んでおり、双方の現象を記述できることが分かった。そのほか、粒子の成長過程にはカスケード過程が重要で、この結果サイズ分布は界面律速による分布よりむしろ対数正規分布と考える方がより妥当であることが示された。
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