研究課題/領域番号 |
61115004
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
久米 章司 山梨医大, 医学部, 教授 (50010492)
|
研究分担者 |
田部 章 東京大学, 医学部・第一内科, 助手 (70111531)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 血小板凝集反応 / Cキナーゼ / カルシウム動員系 / ionomycin / TPA / aequorin法 / 細胞内【Ca^(2+)】濃度 |
研究概要 |
血小板はさまざまの刺激に反応して活性化され、凝集および放出反応が惹起される。この血小板活性化反応には【Ca^(2+)】が中心的役割を果たしている。この【Ca^(2+)】動員系に加えてCキナーゼの関与が注目され、この両者の相乗作用が放出反応のキイポイントをしめることが明らかにされつつある。一方、凝集反応においては、血小板模糖蛋白GP【II】b/【III】a複合体の形成が必要で、このGP【II】b/【III】a複合体とフィブリノーゲンにより凝集反応がひきおこされる。血小板膜におけるGP【II】b/【III】a複合体形成には【Ca^(2+)】が必須であることは認められているが、凝集反応において果たして【Ca^(2+)】動員系とCキナーゼ系の相乗作用が存在するかどうかについてはまだ検討がなされていない。【Ca^(2+)】動員のためのagonistとしてionomycin、Cキナーゼ活性化物質として12-0-tetradecanoylphorbol 13-acetate(TPA)の両者を用いて凝集反応における【Ca^(2+)】動員系とCキナーゼ系の相乗作用の検討を試みた。低濃度のionomycin(50nM)および低濃度のTPA(50nM)、それぞれ単独では、凝集反応は惹起されないが、同時添加によって明らかな凝集反応が認められた。この際aequorin負荷および【^(14)C】セロトニン負荷の血小板を用い、凝集反応と同時に細胞内【Ca^(2+)】濃度([【Ca^(2+)】]i)および放出反応を測定すると、[【Ca^(2+)】]iの上昇はionomycin単独とTPA+ionomycinに認められ、両者間にはほとんど差はなかった。一方、放出反応はTPA+ionomycinにおいてのみ認められた。凝集および放出反応におけるTPA+ionomycinの相乗作用は、ほぽ平行してみられるが、凝集反応において相乗作用が強くあらわれ、しかも早期に認められ、またADP scavenger system中でも認められることから、凝集反応におけるTPA+ionomycinの相乗作用は、放出反応には依存しない独立したものであることを示している。以上のことからGP【II】b/【III】a複合体の発現にも【Ca^(2+)】動員系とCキナーゼ系が相乗的に働くと考えられる。
|