研究分担者 |
早川 太郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80064822)
鈴木 旺 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022504)
新海 浤 大分医科大学, 医学部, 助教授 (90030957)
藤本 大三郎 東京農工大学, 農学部, 教授 (40004288)
藤田 拓男 神戸大学, 医学部, 教授 (30009964)
|
研究概要 |
コラーゲン代謝異常の病因、病態解析には、單にコラーゲン分子鎖およびコラーゲン合成酵素系の検索にとどまらず、組織、器官形成に重要な影響を与える石灰化過程、プロテオグリカンをはじめとするマトリックス成分の解析が要求される。本年度はこの方針に従って以下の研究を進めた。 藤田班員は骨形成異常モデルとして、ビタミンC欠乏ラットを用い、同ラットにみられる骨減少の原因が骨吸収の異常増加によるのではなく、アスコルビン酸(Asc)欠乏と二次性栄養障害に基づく骨マトリックス形成不全に起因し、Ascが骨芽細胞の増殖・分化に重要な役割を果していることを明らかにした。新海班員は、Ehlers-Danlos症候群の症例検索を重ね、39才男子例(関節症状なく、皮膚過伸展性、易出血性を呈す)において、皮膚組織からのコラーゲンの抽出率、I型/III型比および線維芽細胞コラーゲン合成量は正常であるが、プロテオデルマタン硫酸を欠く新らしい亜型の存在を明らかにした。藤本班員は、骨形成不全症2例で助骨,腱,皮膚,下顎骨,象牙質のコラーゲン架橋成分,ピリジノリン含量も分析し、骨にのみ同成分の異常増加があることから、リジルオキシダーゼ,リジルヒドロキシラーゼとの関連を示唆した。早川班員は、ヒトリジキオキシダーゼの單クローン抗体作成のための抗原精製に、ニワトリ大動脈由来のリジルオキシダーゼ單クローン抗体産生株9種を單離した。永井班員は、ヒト間質型コラゲナーゼの組織内分布,血清,体液中の同酵素の簡易微量定量法確立のため、線維芽細胞培養系から15株の單クローン抗体産生株を單離し、組織染色への応用の道を拓いた。鈴木班員はSwarmラット軟骨肉腫の細胞が産生するPG-Ltと【IX】型コラーゲンの関係を解析して、【IX】型コラーゲン(PG-Lt)にコンドロイチン硫酸の結合していない成分の存在を明らかにするとともに、哺乳類の【IX】型コラーゲンを認識する抗体作成を可能にした。
|