研究課題/領域番号 |
61120007
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
杉本 孝司 阪外大, 外国語学部, 助教授 (20030182)
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研究分担者 |
西光 義弘 神戸大学, 教養部, 助教授 (10031361)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | IL-HST / タイプ転位 / 内包論理 / 個体化 / タイプ理論 / メタファー / 形式意味論 / モンタギュー文法 |
研究概要 |
標準的タイプ理論を自然言語の記述に組込むと様々な問題が生じる。その解決策としてHomogeneous Stratified Types(HST)を組込み内包論理とも合わせた論理(IL-HST)を用いることを検討した。IL-HSTはタイプ理論が持つ欠陥を克服するのみならず、自然言語に見られる統語的特徴を意味論的にもっとも自然に反映できる論理言語の一つであることもわかった。日・英両語の検討からタイプ転位が生じる代表的な構造を示せば 1 be動詞補語 2 他動詞目的語 3 前置詞目的語 4 ハダカ名詞 5 時制節・非時制節の関係 等であるが、いずれの場合においても、IL-HSTが予測する(自然言語が持つべき)三層のタイプという観点から、これらの構造に現れる表現は、いかなる場合においても同一種類のタイプ(個体もしくは属性の個体化としての個体のレベル)として捉えることができ、日・英共通してIL-HSTが有効かつ強力な記述手段であることがわかった。しかしIL-HSTが待つ問題点も明らかになった。例えば三層のタイプの定義によって、一見して自然言語と対応しない意味タイプも予測されていること(例えば〈〈e,p〉,p〉等、副詞の中には3階以上の高階位のレベルのものもあり、これらの取扱いが恣意的である、等があげられる。今後はこれらの修正をも含めてIL-HSTをより妥当な自然言語の記述手段としていく方向で研究を進める必要がある。と同時に自然言語特有のメタファー表現をIL-HSTの「個体化」という枠組みでどのように一般的に捉えていくかという重要な課題も残されている。
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