研究課題/領域番号 |
61122011
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金森 順次郎 阪大, 理学部, 教授 (10028079)
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研究分担者 |
興地 斐男 大阪大学, 工学部, 教授 (20029002)
久保 亮五 慶応義塾大学, 理工学部, 客員教授 (50011391)
豊沢 豊 東京大学, 物性研究所, 教授 (50013454)
北原 和夫 東京工業大学, 理学部, 助教授 (20107692)
近藤 淳 電子技術総合研究所, 特別研究官
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | μ中間子 / μSR / hyperfine field / hyperfine anomaly / 量子拡散 / 断熱ポテンシャル / ミューオニウム / 負μ中間子原子 |
研究概要 |
1.金属中の正μ中間子周辺の電子構造と断熱ポテンシャル. 鉄中の置換位置内での断熱ポテンシャルを中心から変位したときに正μ中間子が受ける力を求める方法で計算し、以前の全エネルギーの変化の計算を検証して、中心が不安定位置であるという結論を確かめた。またその機構の考察からB,F等の核種でも不安定であることを統一的に説明した。 2.金属中の負μ中間子原子のhyperfine anomaly 従来自由原子についてのみ計算が行われていたhyperfine anomalyの結晶中での変化、また負μ中間子を捕えた原子と原子番号が一つ小さい不純物原子とで物性に及ぼす影響の相違を調べる目的で強磁性遷移金属鉄とニッケル中での計算を行った。後者では自由原子とほぼ等しいhyperfine anomalyを結論したが、鉄中では数十パーセントにもなる。これはMnと比べて電子状態に及ぼす影響がかなり異なるからである。この結果は鉄についての実験値とは一致しないが、鉄合金で実証される可能性を検討中である。 3.正μ中間子の拡散に関する諸問題 (【I】)拡散係数測定のためのμSRの基礎理論であるKubo-Toyabeの理論の緩和関数のより精密な計算、(【II】)拡散とμSRについてのより精密な理論、(【III】)金属中の量子拡散での電子の遮蔽効果の影響等について研究を進めた。Cu,Al中での拡散係数が低温で温度の低下によって増加することが電子の遮蔽効果によるものとして説明されたが、非断熱効果のより進んだ取扱いでもパラメターの意味が変るだけで定性的な変更はないようである。 4.その他半導体中の正μ中間子について観測されている二つの電子状態のモデルを提案し、その仮説を検証するための計算の準備をしている。また負μ中間子を捕えた原子分子の中間的電子状態について計算を進めている。
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