研究課題/領域番号 |
61123003
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸山 和博 京大, 理学部, 教授 (90025263)
|
研究分担者 |
山本 雅英 京都大学, 工学部, 助教授 (40025961)
宅和 暁男 島根大学, 理学部, 助教授 (70032456)
大辻 吉男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (20081341)
飛田 満彦 東京都立大学, 工学部, 教授 (60087301)
杉森 彰 上智大学, 理工学部, 教授 (40053590)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
19,900千円 (直接経費: 19,900千円)
1986年度: 19,900千円 (直接経費: 19,900千円)
|
キーワード | 光電子移動 / 光増感反応 / 光増感剤 / 高効率化 |
研究概要 |
光電子移動反応における反応効率の向上・立体選択性の向上を反応場の設計・開発あるいは増感剤の改良・新規な増感剤の導入により検討した。反応効率低下の主原因は逆電子移動過程にあるとの観点から、反応系内に過塩素酸マグネシウムなどの金属塩を添加したところ、反応効率が飛躍的に向上した。ジアリールシクロプロパンの光酸素化反応における立体選択性も金属塩の添加により制御できた。また、ミセルなどのイオン性界面の静電的相互作用を、同符号イオン種間の光化学反応の高効率化に利用できないかと考え試みたところ、スチルバゾールイオンのルテニウムビピリジル錯体による光異性化反応の量子収率は、ドデシルスルホン酸塩やポリスチレンスルホン酸塩の添加により、100〜200という高い値となることが判明した。塩化ユーロピウム(【III】)を光レドックス触媒として用いる新反応として、オレフィン類のメタノール中でのヒドロキシメチル化反応を見い出した。中でも、1.3-ジメチルウラシルは、ほとんど定量的に6位がヒドロキシメチル化されるなど合成的にも興味深い。ポリシラン化合物のケイ素-ケイ素シグマ結合が、光電子移動反応により開裂することも見い出した。ハロゲン化炭化水素中では、ケイ素-ケイ素結合の開裂に伴い、ケイ素-ハロゲン結合が生成する。更に、光合成初期過程が膜タンパク質中で進行することに鑑み、一連のアミノ酸修飾ポルフィリンを合成、光化学的挙動について検討したところ、チロシン修飾ポルフィリンとキノン光付加反応を見いだし、キノン-キャップドポルフィリンの新規合成法を開発した。本反応は、キノンヘの電子移動がポルフィリンの光励起により誘発され、極めて合目的的な化合物の生成が、配列集合分子系で起こる事を示した一つの例と思われる。
|