研究課題/領域番号 |
61130002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
朝倉 昌 名大, 理学部, 教授 (80022531)
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研究分担者 |
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
松本 元 電子技術総合研究所, 電子電波部, 室長
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (30089883)
宝谷 紘一 京都大学, 理学部, 助教授 (80025444)
香川 靖雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (30048962)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
1986年度: 13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
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キーワード | ATP合成酵素 / 微小管の動的不安定性 / アクチン-ミオシン間の滑り運動機構 / 膜を裏打ちする動的骨格構造 / 細胞接着蛋白質カドヘリン |
研究概要 |
1.好熱菌ATP合成酵素を人工平面膜にうめこみ、【H^+】電流の直接測定に成功した。これにより180mVの印加電圧でATP依存性電流が止ること、及び【H^+】/ATP比が3であることを示した。2.蛍光標識したFアクチンを用いることにより、ATP存在下でミオシンと相互作用する単一アクチン繊維の動きを顕微鏡で直接観察することができる。この方法により、トロポミオシン・トロポニンを結合したアクチン繊維の滑り運動が【Ca^(2+)】イオン及び温度によって転移的に調節されることを示した。3,同じ方法よって、パパインで調製した単頭ミオシンが未処理の双頭ミオシンと同じ程度の滑り方発生能を持つことを見出し、力発生機構に双頭間の協力が必要であることを示唆した。さらに、ミオシン繊維上の頭部の数を5個まで減らしても毎移約5μmの滑り速度を生むことから、IATPサイクル当りの滑り距離が約80nmにも及ぶことを示した。この距離を理解するために、新しい分子機構の建設が待たれる。4.微小管はチューブリンの重合体であるが、その1本1本の挙動を暗視野顕微鏡で映像化した。精製チューブリン系では重合定常状態においても、各微小管は常に伸長(重合)と急速な短縮(脱重合)をくりかえしている。つまり各微小管は互に独立に重合相と脱重合相の間を可逆的に転移している(動的不安定性)。チューブリン重合にはGTP分解が共役しているが、これが二相性を生んでいる可能性があり、研究の進展が待たれる。5.ヤリイカ光受容細胞の微絨毛はアクチン繊維により裏打ちされているが、光刺激によりこの繊維が切断されることを急速冷結電顕法によって発見した。6.細胞接着蛋白質カドヘリンには特異性の異なるE,N,P型等が存在するが、それぞれのcDNAのシークエンスから、これらの間に共通した配列部分のあることを発見した。
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