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TNF(腫瘍壊死因子)の抗腫瘍活性機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 61210009
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

成内 秀雄  東大, 医科学研究所, 教授 (10012741)

研究分担者 江川 滉二  東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012724)
原中 勝征  東京大学, 医科学研究所, 助手 (90012757)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1986年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
キーワードTNF / 血管内皮傷害作用 / 血管新生抑制 / 腫瘍壊死
研究概要

TNFの抗腫瘍作用を腫瘍細胞に対する直接作用と間接作用とに分け、主として後者、特に血管内皮細胞に対する作用について検討した。TNFはウサギ由来の天然のもの及びリコンピナニトヒトTNFを用いた。各種血管から採取した内皮細胞は第八因子の存在を確認した後培養し、その増殖に対するTNFの作用を検討した。いずれの内皮細胞も増殖は抑制され、形態学的にも変化を示した。毛細血管由来の内皮細胞に対する作用は特に顕著であり、高力価のTNFでは内皮細胞の死滅が見られた。その他の内皮細胞に対する作用は可逆的であった。つぎに、毛細血管新生に対するTNFの作用を検討した。先ず、in vitroにおける血管新生実験系を確立した。この方法はミオファイブロブラストをフィーダーとして用いるもので、このフィーダーの上に小血管断片をおいて、毛細血管の新生をおこさせる系である。この実験系にTNFを存在させると血管の新生は明らかに抑制された。さらに、この抑制は抗TNF抗体によって改除された。このことは血管新生を抑制する物質がTNFそのものであることを示している。一方TNFは線維芽細胞、ミオファイブロブラストのような細胞の増殖には何らの影響をも与えなかった。血管内皮細胞に対するTNFの効果は時間的にも早く現われ、数時間後には形態変化をおこさせるものである。以上の所見はTNFは血管に強く作用してその内皮に傷害をおこさせ、血管新生を抑制して組織、腫瘍への血流を断ち、その結果として壊死をおこさせることを示している。すなわちTNFの抗腫瘍作用には血管傷害を介する系が大きく関与していることを示すと共に副作用が出得ることを示唆した結果となった。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Minami;H.Nariuchi;H.Kawasaki;M.E.Dorf.: Journal of Immunology. 136. 3341-3345 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] N.Sato;T.Goto;K.Haranaka;N.Satomi;H.Nariuchi;Y.Hirano;Y.Sawasaki: Journal of National Cancer Institute. 76. 1113-1121 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Hirano;N.Sato;Y.Sawasaki;K.Haranaka;N.Satomi;H.Nariuchi;T.Goto: Journal of National Cancer Institute.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] S.Taira;T.Kakiuchi;M.Minami;H.Nariuchi: Journal of Immunology. 137. 2448-2454 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] S.Taira;H.Nariuchi: Cellular Immunology. 98. 386-395 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] H.Nariuchi;J.Mizuguchi;S.Taira;T.Kakiuchi: Cellular Immunology. 97. 34-43 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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