研究課題/領域番号 |
61210010
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒木 登志夫 東大, 医科学研究所, 教授 (90006073)
|
研究分担者 |
千田 和広 東京大学, 医科学研究所, 助手
許 南浩 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70173573)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1986年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
|
キーワード | 発癌 / 発癌プロモーション / カルシウム / Cキナーゼ / 活性型ビタミンD / トランスフォーメーション / タンパクリン酸化 / ホルモン |
研究概要 |
発癌の促進と抑制のメカニズムを、カルシウムに関係する酵素とホルモンすなわちCキナーゼと活性型ビタミンDの面から分析する。プロモーション実験系としては、培養細胞を用いた二段階トランスフォーメーション系およびマウス皮膚の二段階発癌実験系を用いた。1.発癌プロモーションにおけるCキナーゼの意義:Cキナーゼ研究に適した細胞を得るため、42種の細胞株をスクリーニングした。ラットの表皮由来のFRSK細胞はホルボールエステル結合とCキナーゼのダウンレギュレーションが非常に速いことを見出した。このダウンレギュレーションはタンパク分解酵素阻害剤によって阻害されることから、Cキナーゼがタンパク分解酵素によって、膜結合領域と活性部位に分解するためであると結論した。Cキナーゼによってリン酸化される標的タンパクをマウス皮膚二段階発癌実験系を用いて検討した。特異的にリン酸化されるタンパクとして、分子量34K、40Kのタンパクを固定したが、その機能はまだ不明である。2.活性型ビタミンDによる発癌の促進と抑制:血中カルシウム濃度の調節ホルモンである活性型ビタミンDは、細胞分化と発癌プロモーションの調節にも関与していることを、これまでに明らかにしてきた。今回、活性型ビタミンDは、マウス表皮由来のJB6細胞およびNIH3T3、BALB3T3細胞に軟寒天内増殖を誘導することを見出した。これに伴って、両3T3細胞では、K-ras癌遺伝子転写が活性化された。活性型ビタミンDによる遺伝子転写コントロールを調べるためステロイドホルモンによって誘導されることがすでに確認されているマウスの乳癌ウィルスLTRおよびメタロチオネィン遺伝子について調べたところ後者が活性型ビタミンDによって誘導されることがわかった。活性型ビタミンDによる細胞内カルシウム濃度をFURA-【II】法で測定したが、大きな変化はみられなかった。
|