研究課題/領域番号 |
61210020
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
羽倉 明 阪大, 微生物病研究所, 教授 (00029779)
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研究分担者 |
谷垣 武彦 大阪大学, 医学部, 講師 (70028637)
湯通堂 満寿男 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70135747)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1986年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | ヒトパピローマウイルス / 子宮頸癌 / 疣贅状表皮発育異常症 / 皮膚癌 / transformation / がん遺伝子 |
研究概要 |
当班ではヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸癌及びEV(疣贅状表皮発育異常症)患者に発生する皮膚癌との関係を明らかにすべく研究を行っているが本年度は以下の成果を挙げることができた。1.子宮頸癌,コンジローマ及びEV患者のHPVの分離とその解析:我々は60年度までに我が国の子宮頸癌52例につきHPVの検索を行い、子宮頸癌の48%にHPV・DNAが存在することを明らかにした。61年度ではインドネシアにおける子宮頸癌43例につきHPVの検索を行い、HPV・DNAの検出率が19%(HPV16:7%,HPV18:7%,unknown type:5%)と我が国と比べ、さらに低値を示すことを明らかにした。現在unknown typeのDNAクローニングを試みると同時にHPV・DNAの検出率の地域差が何に起因するかについて検討を行いつつある。2.HPVの遺伝子情報発現系の開発:HPVの癌化に関与する遺伝子を解析すべく、HPV16の初期遺伝子領域をレトロウイルスペクター(pzipneo)に組み込ませ、42(MLVのpackagingに関するmutantを感染させたN1H3T3細胞)にtransfectすることによりHPV16の初期遺伝子領域を組み込んだレトロウイルスを作成することに成功した。現在本ウイルスを用いてラット細胞をtransformさせ、同細胞の性状解析を行いつつあるが、こうした系を使用することにより、HPV16の癌遺伝子についての解析が飛躍的に進展することが期待できる。3.子宮頸癌組織中の活性化癌遺伝子の検索:子宮頸癌組織中のHPV・DNAの解析と平行して同組織中の活性化癌遺伝子の検索を開始した。本年度は摘出子宮頸癌30検体につきN1H3T3を用いて検討を加え、6検体DNAがN1H3T3をmorphologicalにtransformすることを確認した。またこの内4種類のtransformantをヌードマウスに移植し、3種類に造腫瘍性を認めた。4.その他HPVの初期遺伝子(E1)産物及び後期遺伝子(L1)産物に対する抗血清を作成中である。
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