研究課題/領域番号 |
61210031
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
清水 信義 慶応大, 医学部, 教授 (50162706)
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研究分担者 |
上田 政和 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (50142419)
平井 雅道 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (10168635)
蒲生 忍 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (90122308)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1986年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | EGFレセプター / erbB / オンコジン / 扁平上皮癌 / 遺伝子増幅 / 体細胞遺伝学 |
研究概要 |
本年度、我々はEGFレセプターの過剰産生が食道と肺の扁平上皮癌に高頻度でみられることを明らかにした。過剰産生の多くはEGFR/c-erbB遺伝子の増幅によるものであったが、遺伝子増幅がみられないにもかかわらずEGFレセプターが増加している場合もあり、それは膜レセプターの代謝回転の異常に起因していることを見出した。このように、EGFは肺の扁平上皮癌の発症機序に関与している可能性が強く示唆されたが、EGFレセプターの数と病期との間に明確な相関は認められなかった。しかし、予後とは相関がみられた。また、EGFレセプター過剰産生細胞の増殖はin vitroではEGFによって抑制されたが、ヌードマウスに移植するとEGF依存的に腫瘍形成が促進された。一方、EGFレセプター過剰産生細胞と扁平上皮癌におけるシグナル伝達機構に関して、EGFやTPAによる80kd蛋白質のリン酸化の重要性を明らかにした。さらに、anti-sensemRNA発現ベクターを用いて細胞レベルでEGFレセプターの過剰産生を抑制する系を開発した。このような人癌組織と細胞株を併用した細胞遺伝学的・分子生物学的解析によって、EGFR/c-erbB遺伝子の発現異常と細胞増殖の制御機構の関連および扁平上皮癌発症の分子機構をさらに明らかにしていく。
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