研究課題/領域番号 |
61211018
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮本 武明 京大, 化学研究所, 助教授 (60027050)
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研究分担者 |
呑海 信雄 京都大学, 化学研究所, 教務職員
野一色 泰晴 岡山大学, 医学部, 助手 (60033263)
鈴木 秀松 京都大学, 化学研究所, 助手 (00027054)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | セルロース / セルロース誘導体 / 血液適合性 / 膜 / 生体内分解吸収性 / ポリアミノ酸 / 生体親和性 |
研究概要 |
天賦の機能に富むセルロースの生医学材料化を目的とし、これに化学修飾を施して種々の誘導体及び複合体を合成し、その生体親和性及び血液適合性を主としてin vivoの動物実験による評価法を用いて検討し、以下の成果を得た。 1.最近我々はセルロース誘導体間で形成されるポリイオンコンプレックス(PIC)が非常に優れた血液適合性を示すことを見出したが、本研究ではこれらの結果を基に、人工透析用セルロース膜表面へのPICの固定化を試みた結果、カチオン化剤としてグリシルトリメチルアンモニウムロライドを用いて膜表面を化学修飾し、これに硫酸セルロース又はカルボキシメチルセルロースをアニオン成分としてPICを形成さすと、良好な抗血栓性を透析膜表面に賦与することが可能であることが分った。今後は透析性能との観点から検討して行く予定である。 2.各種セルロース系材料の生体内分解吸収性及び異物反応性についてin vivoでの評価法を用いて検討した結果、セルロース系材料の異物反応度はいずれも軽度で、側鎖の化学構造や結晶化度を抑制すれば生体親和性に優れた体内分解吸収性材料ともなり得ることが分った。 3.オリゴペプチドで化学修飾したセルロース誘導体の合成を試み、その生体親和性及び血液適合性を検討した結果、γ-ベンジル-L-グルタメート或はそのアミノリシスによって得られる【N^5】-2-ハイドロキシエチルグルタミンのオリゴマーを側鎖に有するエチルセルロース及びハイドロキシプロピルセルロースはいずれも構造を抑制すれば生体親和性に優れた抗血栓性材料となり得ることが分った。
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