研究課題/領域番号 |
61211020
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 晃 阪大, 理学部, 教授 (80029404)
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研究分担者 |
安田 源 大阪大学, 理学部, 助教授 (00028200)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 前周期遷移金属錯体 / 高選択的オリブメリゼーション / イソプレン二量化 / アルキンの環状三量化 / チタン-ジエン錯体 / ニオブ-ジエン錯体 |
研究概要 |
置換基を有する不飽和炭化水素類の触媒的高選択的変換反応(例えば二量化や三量化)は有機化学資源の有効利用といった見地から今後の重要課題の一つであるが、従来これらの反応においては数多くの異性体が混合物として生成するためにその利用は極めて限られている。近年前周期遷移金属化合物の特異な触媒作用により高選択的オリゴメリゼーションが見出され、我々も既にジルコニウム触媒によるイソプレンの尾一尾結合二量化やチタン触媒による尾一頭結合二量化などに成功している。本年度はチタン触媒による特異な触媒作用を分子レベルで解明することに特に力点を置いて研究した。 1.従来合成が困難とされていたチタンのジエン錯体,Ti(【C_5】【Me_5】)Cl(diene)の合成と単離に初めて成功した。これらの構造はX線とNMRにより行ない置換基の種類によりジエン配位形式が異なることを明らかにした。これらは4価錯体なので触媒活性は見られないが、RMgX等により還元するとイソプレンの尾一頭型二量化触媒となることが判明した。 2.上記に示した4価錯体を還元して、3価錯体の合成にも成功したが、予想に反し得られたTi(【C_5】【Me_5】)(diene)錯体単独では活性は小さいことが判った。Mg【X_2】やRMgXを添加することにより活性化されることは、これらのマグネシウム化合物がチタンと弱い相互作用を持つことが触媒機能発現に必須であることを示唆する。初めて単離に成功したこれら3価のチタン-ジエン錯体のX線解析と種々のルイス酸(Ti【Cl_4】など)との相互作用を検討することが次の課題となる。 3.対応する5族金属のジエン錯体としてTaCp【(diene)_2】やNbCp【(diene)_2】および[NbCp(diene)Cl【]_2】を単離した。ニオブ錯体はイソプレンの尾一頭二量化や1-アルキンの環状三量化触媒となることが判明した。錯体の構造はX線解析で決定した。
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