研究課題/領域番号 |
61211024
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柘植 乙彦 九大, 生産科学研究所, 教授 (00038572)
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研究分担者 |
金政 修司 九州大学, 生産科学研究所, 助教授 (20038590)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ピリジニウムメチリド / テトラヒドロインドリジン / 1.3-双極性環状付加反応 / 縮環イソオキサゾリン / ヒドロアルキリデン化反応 |
研究概要 |
昭和61年度の研究実績の概要は次のようである。 1.ヘキサ-及びテトラヒドロインドリジン-7-オン類の立体選択的合成に成功した。すなわち、4-ピリドン体から誘導した4-(シリルオキシ)ピリジン体を四級化してピリジニウム塩として、ついで脱プロトン化によって生じた4-(シリルオキシ)ピリジニウムメチリドと電子不足オレフィン類との環状付加、それに続く脱シリル化によって初期の環状付加体の立体化学が保持されたヘキサヒドロインドリジン-7-オン類を合成することに成功した。また、環状付加反応の親双極子としてアセチレン類を用いることによってテトラヒドロインドリジン-7-オン類を合成した。 2.ピリジニウムメチリド体とオレフィン類との環状付加反応で生成するテトラヒドロインドリジン体は一般に不安定で単離できない。このような不安定なテトラヒドロインドリジン体を安定化させる1つの手法としてニトリルオキシドとの付加体への誘導について研究した。その結果、ニトリルオキシドがテトラヒドロインドリジン体の6,7位ヘレギオ選択的かつ立体選択的に環状付加した安定なイソオキサゾリン体が高収率で得られることが明らかとなった。 3.イリド炭素に電子求引性基をもつピリジニウムメチリドと電子不足オレフィンとの環状付加体は不安定で複雑な混合物を与えるが、シリカゲルで処理すると容易にピリジンの脱離が起り、ピリジニウムメチリドのイリド部がオレィンをヒドロアルキリデン化した化合物に対応する生成物が得られることを見出した。この反応はオレフィンの新しいヒドロアルキリデン化反応として興味ある知見と云える。 今後さらにピリジニウムメチリドを用いた合成反応を展開する予定である。
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