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微生物による有機化合物の選択的酸化と有機合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 61211029
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

太田 博道  慶応大, 理工学部, 助教授 (30152151)

研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードジチオアセタールの不斉酸化 / コリネバクテリウム・エクィ / 酵素的酸化 / 光学活性β-オキシスルホキシド / 不斉加水分解 / 光学活性α-ベンジルオキシカルボン酸エステル / 不斉酸化
研究概要

1.硫黄化合物の酸化:スルホキシドの光学活性体はそのキラリティを炭素上に移すことができるので不斉合成上非常に有用である。その観点から有機資源の有効利用の研究を考えるとき重要な研究課題である。我々は本研究でホルムアルデヒドジチオアセタール及びβ-オキンスルフィドの微生物酸化を試み、いずれも光学純度の高いスルホキシドが得られることを明らかにした。ホルムアルデヒドジチオアセタールを細菌の一種コリネバクテリウム・エクィ(C.egui)の増殖期に加えると酸化される。その際の酸化され易さは硫黄に結合している炭化水素基の構造に強く支配されることが明らかとなった。得られるスルホキシド体はNMRやCDスペクトルからRの立体配置を有することが確認された。β-ベンゼンスルフェニルエタノール誘導体もこの微生物によって酸化され、光学活性スルホキシドを生成した。エチルエーテル、アリルエーテル等がその例である。遊離のアルコールは全く酸化されないこととは好対照であり、特に注目すべきは酢酸エステルからもスルホキシドが生成し、培養条件下で加水分解されて遊離のアルコールとなった。これは客易にアルデヒドに誘導できる。
2.α-ベンジルオキシカルボン酸エステルの不斉水解:C.eguiがスルフィニル酢酸エステルを不斉水解することに着目し、上記エステルに応用するとα位の絶対立体配置によって加水分解速度が著しく異なり、反応時間を選ぶと光学的にほぼ純粋なエステルが回収された。一般的にはS体が回収される。べンジル基は酸、塩基に強く有用な保護基であるが、本反応によりカルボン酸を化学的に酸化して保護基を導入した後に不斉炭素を導入することができるようになり、意義深いと考える。本反応により保護基導入の際の塩基による他の不斉点のエピメリ化の恐れがなくなり、合成化学的に有用である。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 太田博道: Chemistry Letters. 2049-2052 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 太田博道: Tetrahedron Letters. 28. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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