研究課題/領域番号 |
61212017
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡野 純 阪大, 教養部, 教授 (10028087)
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研究分担者 |
植田 千秋 大阪大学, 教養部, 助手 (50176591)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 同位体比 / ノックオンインプランテーション / 二次イオン質量分析 / 固体表面 |
研究概要 |
イオンビームで銅やニッケルの表面を衝撃した際に、ノックオンインプランテーションによって生じる表面の同位体組成の変化は、蒸発や拡散など通常の物理化学的過程によって生じるものと比べれば大きい。しかし、その大きさは標的物資により変化し、けい酸塩鉱物などでは比較的小さい。したがって、同位体組成の変化の詳細を研究するためには、同位体比測定精度が、【10^(-4)】の桁であることが必要である。現有の装値は1〜2×【10^(-3)】程度の精度であるので、本年度はその向上を計るための基礎的研究を行った。 以上の目的のため、まず第一に質量分析計中を通過するイオンの軌道を実験的にはあくし、イオン光学的に正しい軌道を走行しているか否かを知る必要がある。このため、質量分析計の電場と磁場の中間に、新たに二個のモニター電極を挿入し、イオンビームの中心面からのずれを検出した。 それによると、標的(試料)付近のTopographyや導電性の不均一からくる電場の乱れが二次イオンの軌道に微妙に影響していることが分った。また、二次イオンの引出し電場とレンズ電場の軸のわずかなずれも軌道を中心面からずらしていることも分った。 イオン軌道の中心面からのずれは、新たに挿入したモニターを見ながら諸条件を調整することにより、かなりの程度避けられることを確認した。さらに標的(試料)付近に電子をスプレイすることにより、試料付近の電場の乱れの影響を小さくすることができることも確かめた。これは試料が金属の場合でも有効であった。今後イオン軌道のr方向の調整についても対策を講じる予定である。 これらの基礎研究により、同位体比測定精度が向上するものと期待される。精度が向上すれば多様な結晶構造の標的について、同位体効果の詳細を実験的に究明する予定である。
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