研究課題/領域番号 |
61213004
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
白石 裕 東北大, 選鉱製錬研究所, 教授 (00006024)
|
研究分担者 |
早稲田 嘉夫 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (00006058)
谷田 勝俊 弘前大学, 理学部, 教授 (40006028)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1986年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | ケイ酸塩 / りん酸塩 / X線回析 / 粘度 / 動径分布関数 |
研究概要 |
地殻形成の主要成分であるけい酸塩などメルト、およびガラス状態における粘度、密度などの物性と構造の相関を系統的に研究することを主目的として、本年度は、比較的少量の試料に対しても精度よく単色X線を照射可能なS湾曲結晶モノクロメータの製作ならびに蛍光X線除去用検出システムの定電圧発生装置の付加による既設構造解析装置の性能向上を計った。 本年度はとくに、X線回析実験により得られる動径分布関数から精度よく最隣接近傍の原子相関の配位数を求めるため、pair function法を導入し、従来の方法では不可能であったFourier変換の打ち切り効果に伴うリップルと各原子ペアから生ずる周期性リップルを区別して配位数を正確に算出する処理方法を確立した。ついで、この処理方法を用い、基本系であるシリカ、メタけい酸塩組成のカルシアおよびマグネシアけい酸塩融体の構造解析を実施し、基本構造単位であるSi【O_4】四面体の存在を確認し、さらに【Mg^(2+)】および【Ca^(2+)】イオの酸素配位数がそれぞれ4および6であることを明らかにした。けい酸塩と類似の構造をもつとされているりん酸塩ガラスで、【Mg^(2+)】や【Zn^(2+)】を含む場合に密度や屈析率などの物性に他の酸化物を含む場合とは異った振舞いが知られており、これらのイオンの酸素配位数が結晶化学的に予想される6ではなく4であるためといわれている。しかし構造解析的結論は得られていないので、MgOおよびCaOを含むりん酸塩およびけい酸塩ガラスについて系統的な構造解析を試みた。その結果、【Mg^(2+)】イオンの酸素配位数はりん酸塩、けい酸塩の双方において4であるが、【Ca^(2+)】イオンのそれはりん酸塩で5、けい酸塩中で6であることが判明した。 他方、メルトの粘度および密度に関しては、今年度、感度1mgの上皿式電子天科を既存の粘度計と組合せて設置し、同一メルトについて粘度と密度を支互に測定できるよう装置を改良した。
|