研究課題/領域番号 |
61215020
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 不二男 阪大, 歯学部, 教授 (40028717)
|
研究分担者 |
加藤 幸夫 大阪大学, 歯学部, 講師 (10112062)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1987
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 軟骨由来因子 / EGTA / ニフェジピン / ヴェラパミル / カルシウムイオノフォア / 軟骨細胞 |
研究概要 |
カルシウムイオンは細胞外シグナルの細胞内伝達物質として種々の細胞機能の調節に関与している。我々はウシ胎仔軟骨に存在するソマトメジン様成長因子(CDF)が軟骨細胞の増殖のみならず、プロテオグリカン合成をも促進することを見出した。そこでconfluentに達したウサギ肋軟骨培養細胞系にEGTA(2mM)を添加すると、そのプロテオグリカン合成は影響を受けないがDNA合成は有意に低下することが分かった。EGTA存在下にCDFを添加するとそのプロテオグリカン合成促進作用は完全に発現するが、DNA合成は促進されなかった。次にカルシウム拮抗剤であるニフェジピン(1μM)やヴェラパミル(10μM)の存在下にCDFを添加したところ、プロテオグリカン合成は促進されるもののDNA合成はやはり促進されなかった。逆にカルシウム・イオノフォアA23187はCDFのDNA合成促進作用を増強した。したがってCDFのDNA合成促進作用はプロテオグリカン合成の促進とは異なる機構で発現し、その際、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が関与することが示唆された。 ソマトメジン様因子であるCDFをEGFあるいはFGFと同時に添加するとそのDNA合成が相乗的に促進される。CDFを最初の5時間だけ軟骨細胞に作用させ、洗浄し、以後はEGF(FGF)だけを作用させても協同作用が発現した。しかしEGF(FGF)を先に添加して、後からCDFを加えた場合にはEGF(FGF)単独の作用しか発現しなかった。したがってCDFは軟骨細胞の【G_1】期初期に作用して細胞が他の増殖刺激に応答しうるように活性化されることが分かった。またCDFのDNA合成促進作用は軟骨細胞の密度が低い時に強く発現する一方、CDFのプロテオグリカン合成促進作用は密度が高い時に強く発現するという合目的的な調節機構が作動していることも明らかとなった。
|