研究課題/領域番号 |
61216002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宍戸 和夫 東京工大, 理学部, 助教授 (40087549)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | プリン-ピリミジン交互配列 / プラスミドの複製起点 / B-Z境界のS1ヌクレアーゼ感受性 / DNAの負の超らせん密度 |
研究概要 |
1.最長のプリン-ピリミジン交互配列は複製起点内に存在する:枯草菌テトラサイクリン耐性プラスミドpNS1とpNS1981の構造解析を引き続いて行ったところ、両プラスミドにおいて、8塩基以上の交互配列が14ケ所にあり、そのうち最も長いもの(20〜23塩基)が複製起点内でかつ複製に関わるタンパク質の遺伝子内に存在することが明らかとなり、それらの特殊性が改めてクローズアップされた。 2.上記交互配列のとる特異立体構造:プリン-ピリミジン交互配列はこれまでの知見からZ型(左巻き)構造をとる可能性が考えられた。DNA中のB-Z型境界点はS1ヌクレアーゼ感受性となり、そこで両鎖切断がおこる。この原理を用いて、まずpNS1のものについて交互配列をpBR322上のEcoRV部位に挿入した上で検討した。その結果、交互配列は通常あるいはその1.3倍程度の超らせん密度ではZ型構造を形成しないことがわかった。現在2倍位の超らせん密度のDNAを下記する特殊な方法で調製し検討している。今後はZ型のみにとらわれず、B型以外の特異構造ということでも検討して行く。なお、pNS1981のものについても同様の手順で解析を進めている。 3.交互配列の生理的機能:直接これを解明する研究までには至らなかった。しかし超らせん密度の高いDNAを調製する過程において興味ある知見が得られた。天然のpBR322をI型DNAトポイソメラーゼ遺伝子を欠く大腸菌内で増殖させたところ、通常の2倍もの超らせん密度をもつDNAが産生されたが、pNS1の交互配列の挿入をもつpBR322ではその産生量が顕著に減少した。これが交互配列の機能を探ぐる手懸りになるかもしれない。他方、交互配列について、アミノ酸配列を変えないで塩基の交互配列性をなくした特殊配列を現在化学合成しているので、これを組み込んだ変異型プラスミドを作成し、その複製能を研究する積りである。
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