研究概要 |
植物育種のため一次スクリーニング用宿主として蛍細胞性真核微生物酵母の宿主、ベクター系を改良するとともに、この系を用いて生殖器官認識物質の解析へも応用することが本研究の目的である。 酵母宿主(SC,SP)は真核生物中でも最も充実しているものでバークレー酵母遺伝ストックセンターだけでも700株以上の菌株が常時利用可能であるが、実際宿主として使用可能な株は数種に限られている。このため本年度は酵母菌を一次宿主とするための一般技術の開発に主として集中した。第一次はkarl(核隔合欠換突然変異)を使う段階的形質転換法の導入により、従来形質転換宿主として実質的に不適当であった大部分の酵母菌株が宿主として利用可能となった。第二はプラスミドを用いたマーカの宿主への選択的導入法であり、第3は酵母遺伝子解析用コンピュータソフト(YGAP)の開発である。YGAPはrandom,tetrad胞子解析,データベース,コロニー解析,マッピング,遺伝子地図の作成等が可能なコンピュータ支援ソフトである。以上によりより簡単に育種目的に一次宿主として酵母の利用が可能となった。(以上担当吉田),ユリ等の配偶体型自家不和合性の認識機構についてはほとんど解析されていないが、ユリの生殖器官認識物質は雌蕊の花経に在するCaralCell由来の分泌粘液物質によって不和合,和合反応が起ることで確認した。また、この反応がCAMPによって制御されていることを明らかにした。(以上担当,手塚)。設備2品として購入した遺伝情報解析用パーソナルコンピュータは遺伝情報解析及びYGAPの作製,改良に使用している。遠心エバポレータ及びゲルドライヤーは生化学実験に常時使用している。
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