研究課題/領域番号 |
61217009
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
長田 敏行 岡崎共研機, その他, 助教授 (10012519)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | プロトプラスト / エレクトロポレーション / キメラプラスミド / 細胞周期 / タバコ / 遺伝子導入 |
研究概要 |
研究の窮極目標である中程度量の遺伝子導入のために、今年度は主としてエレクトロポレーション法を試みたが、これまでこの方法について報告されている口径よりはるかに大きな小孔が生じることが示され従来考えられているよりはるかに大きな高分子の細胞内への導入が可能であることが示された。 前年度までに確立されているエレクトロポレーション法を、タバコ培養細胞系BY2株プロトプラストへ適用したが、導入遺伝子としては三次元構造を持つタバコモザイクウイルスおよびキウリモザイクウイルスであった。これらのウイルス粒子は、ウイルス核酸に比べると効率は低いものの細胞内へ導入され形質発現することが螢光抗体法により明瞭に証明された。このことは、これらのウイスル粒子の大きさから考えてエレクトロポレーションによりもたらされる小孔の口径が30nm以上であることを示し、小型細胞内小器官や染色体断片の細胞内導入が可能であることを示している。更に興味あることに生じた小孔は0℃に保持すると少くとも10分以上開孔しており、閉孔に際しては細胞骨格の関与が認められたことである。 またこの実験系において細菌の抗生物質耐性遺伝子を持つキメラプラスミドをプロトプラストに導入したが、受容細胞に高度に同調化させたタバコプロトプラストを用いたところ導入効率は一過性の遺伝子発現においても、また安定な形質転換体の出現においてもM期において著しく高く、【G_1】【G_2】S期の数倍であることが示され、細胞周期と形質転換との関わりを明確に示すことができたが、このような現象はこれまで全く知られておらず新知見である。更にある種の植物プロモーターの細胞周期依存も示された。
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