研究課題/領域番号 |
61218007
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
津本 忠治 阪大, 医学部, 教授 (50028619)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 興奮性伝達物分質 / グルタミン酸 / 大脳皮質 / 視覚中枢 / キヌレン酸 / 興奮性アミノ酸 / 視覚情報伝達 / 外側膝状体 |
研究概要 |
1.目的。トリプトファン代謝産物であるキヌレン酸は、脊髄や海馬でグルタミン酸/アスパラギン酸による興奮を抑制することから興奮性アミノ酸伝達に対する内因性抑制物質と考えられている。最近、研究代表者らは、キヌレン酸をネコの大脳皮質視覚野細胞に投与したところ、その光反応が完全に抑制されることを見い出した。この抑制効果が皮質視覚野の主な求心路である外側膝状体線維と皮質細胞間シナプスの伝達遮断によるのかどうかを、本研究で明らかにしようとした。2.結果。ネコ大脳皮質17野より記録した神経細胞のうち76個が外側膝状体の電気刺激に短潜時のスパイク発射でもって反応した。そのうち3個は逆行性に反応し、残りは順行性に反応した。この順行性反応は62%の細胞でキヌレン酸投与によって完全に抑制された。 この結果は、キヌレン酸が外側膝状体線維と皮質細胞間シナプスに作用し、光反応や電気刺激反応を抑制することを示している。ただし、この抑制は受容体を介さない非特異的な抑制効果によるのかも知れない。この可能性を調べるため、外側膝状体刺激に対する逆行性反応がキヌレン酸投与によって変るかどうかを調べた。その結果、キヌレン酸が光反応を完全に抑えた時でも、逆行性刺激が細胞体スパイクを引き起す確率や潜時は全く変化しなかった。このことは、キヌレン酸の光反応や単シナプス反応抑制作用が膜電位を過分極させたり、あるいは膜の興奮性を非特異的に抑えたりして生じたものではないことを示唆している。3.考慮。以上の結果は外側膝状体よりの求心線維と皮質細胞間シナプスでは興奮性アミノ酸が伝達物質として働いている可能性を示唆する。ただし、当研究の方法、すなわち薬物の多連管電気泳動投与法では、キヌレン酸が受容体に作用する濃度を正確に定めることができない。したがって、現在皮質視覚野の薄切切片を作成してこの問題を追求中である。
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