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スフィンゴリピドーシスの新しい病変-脳の分化異常の観点に基づく病因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61219001
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関北海道大学

研究代表者

牧田 章  北海道大学, 医学部, 教授 (60004561)

研究分担者 南 良二  国立療養所八雲病院, 院長
成田 真幸  北海道大学, 歯学部, 助手 (10164500)
本家 孝一  北海道大学, 医学部, 助手 (80190263)
賀佐 伸省  北海道大学, 医学部, 助教授 (10142712)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードヒト胎児脳 / グロボ系糖脂質 / ネオラクト系糖脂質 / アシアロガングリオ系糖脂質 / 【Le^x】糖脂質 / 人脳分化抗原糖脂質 / ガングリオシドーシス
研究概要

【GM_1】や【GM_2】ガングリオシドーシス患者脳で、それぞれの酵素欠損では説明し得ないグロボ系やアシアロガングリオ系の中性糖脂質が蓄積することを見出した。その原因としてこれら疾患脳では代謝異常が二次に脳の分化を障害し、未分化の脳で発現されている糖脂質系列が残存しているためと考えた。このような観点から、脳に病変のない胎児(22〜23週)全脳の中性糖脂質を検討して次の成果を得た。(1).胎児脳の構成糖脂質はGalCerとGlcCerが総中性糖脂質の48%;LacCer,17%;【Gb_3】Cer,3%;【Gg_3】Cer,9%;及び前記の疾患脳では分離されなかった未知の二つの糖脂質(FとGと呼ぶ)がそれぞれ、13%と10%を占めていた。【Gb_4】Cerと【Gg_4】Cerは痕跡程度であった。(2).糖脂質FはTLCの移動度,500MHzのMNRによる構成単糖の種類,モル数及びアノマー分析,FAB質量分析による配列解,並びにメチル化法による単糖結合位解析により、Galβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glcβ1→1Cer,すなわちネオラクトテトラシルセラミド(【nLc_4】Cer)と同定した。(3).糖脂質Gは同様に、Galβ1→4(Fucα1→2)GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glcβ1→1Cer,すなわち、【Le^x】糖脂質(又はXハプテン)と同定した。糖脂質Gは【Le^x】に対する単クロン抗体と特異的に反応した。(4).F,Gともに構成脂肪酸はステアリン酸が2/3,パルミチン酸が1/3であった。長鎖塩基はスフィンゲニンのみから成っていた。以上の結果から、正常の未分化脳は正常の分化した脳では殆ど検出されないグロボ系,アシアロ系に加え、ネオラクト系糖脂質が顕著に発現していることを実証した。脳の分化に伴ってこれらの糖脂質系列は発現されなくなる。これら三つの糖鎖系列は脳におけるstage-specific embryonic glycolipidsである。前記ガングリオシドーシス脳ではネオラクト系以外の中性糖脂質系列が発現されているのは分化の障害を示すものである。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Gasa,S.: European Journal of Biochemistry. 155. 603-611 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Sako,F.: International Journal of Biochemistry. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Ishikawa,Y.: Journal of Biochemistry. 101. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 牧田章: 細胞工学. 5. 20-32 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 木下憲治: 代謝. 24. 113-121 (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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