研究課題/領域番号 |
61219004
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高田 五郎 秋大, 医学部, 助教授 (40047254)
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研究分担者 |
田原 麻利絵 秋田大学, 医学部, 助手 (10188401)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ニーマン・ピック病 / Cherry-red spot / 神経蓄積 / B型亜型 / 移行型 / スフィンゴミエリナーゼ欠損症 |
研究概要 |
ニーマン・ピック病は、全身の各臓器にスフィンゴミエリン(Sm)の蓄積をきたす疾患であり、臨床病理学的にA-E型に分類されている。これらのうちSm分解酵素(SMase)の高度欠損を示す例は、A型(神経症状を示し3才までには死亡する)とB型(神経症状を全く示さず長年生存しうる)とに分類される。しかしながら、最近この両型に該当しない症例が報告され注目されて来ている。我々は、神経系への明らかな蓄積を示しながら(眼底の桜紅班・直腸粘膜内神経系へのSmの蓄積・脳脊髄液内浮遊細細への蓄積)、神経症状を示さない(移行型と呼ばれる)姉妹例を経験した。典型的A型・B型・正常者並びにこの移行型の培養皮膚線維芽細胞を用い、SMaseの酵素学的性質の異同を明らかにすべく以下の研究を行なった。 (1)SMaseの残存活性の程度:【^(14)C】-Smを基質とした場合、A型では正常の%・B型 %・移行型 %であった。 (2)SMaseの至適pH:【^(14)C】-smを基質としてそのプロフィールをみると、3型とも正常者と同様に、活性のピークはpH5.0〜5.5にあった。 (3)【^(14)C】-Smに対するKm値:正常者・B型・移行型では58〜83μMであったが、A型のみは26μMと半値以下であった。 (4)【^(14)C】-Smのin vivoでの分解能:【^(14)C】-Smを培地に加え3日間線維芽細胞を培養し、細胞内に取込まれ分解された【^(14)C】-コリンと未分解で蓄積している【^(14)C】-Smを薄層クロマトにて分離し測定した。正常では60%以上・A型10%以下・B型42%・移行型20%前後の分解がみられた。 以上の結果は、移行型はB型に近いないしB型そのものであることを示唆している。従来、B型ではSmの神経系への蓄積は全くないものと考えられて来ていたが、その明確な根拠は未だ示されていない。今後はB型の神経系蓄積の有無に対する検策が必要であろう。
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