研究課題/領域番号 |
61219015
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中沢 淳 山口大, 医学部, 教授 (90025594)
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研究分担者 |
岸 文雄 山口大学, 医学部, 助手 (40153077)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アデニレートキナーゼ / 溶血性貧血 / 遺伝性疾患 / CDNA / 発現プラスミド |
研究概要 |
アデニレートキナーゼは、細胞内におけるアデニンヌクレオチドプールの組成を規制する代謝調節上重要な酵素である。本酵素の欠乏症は極めて希であり、今までに世界で4家系が報告されているが、いずれも溶血性貧血を示す遺伝性赤血球酵素異常症として発見されている。本研究は、1982年東大三輸史朗教授によって発見された。本邦の1家系の患者から変異遺伝子を分離して、DNA塩基配列上の変化を解明しようとするものである。 本症例では、家族内に近親結婚があることからホモ接合体の可能性が高い。しかし、対立遺伝子が異種アリルから成る可能性も否定できない。また、たとえ塩基配列の変化が認められたとしても、それがポリモルフィズムによる可能性もある。そこで、既知の塩基配列から本酵素蛋白を合成させる系を作製し、部位特異的変異法により患者遺伝子において見出された変異を導入して変異酵素を合成し、その性質が患者の変異酵素の性質と同じかどうか評定する必要があると考えられる。 そこで、本年度は我々が昨年作製した鶏筋型アデニレートキナーゼCDNAの本腸菌における発現プラスミドpKK-CAKI-1を作製した。鶏とヒトではアゼニレートキナーゼのアミノ酸配列は85%相同であることが既に知られている。上記プラスミドを保持する大腸菌JM103をIPTGで誘導処理後、Pセルロースとセフアデックスのカラムにより、49%の収率で純粋な鶏酵素を得ることができた。大腸菌により合成された鶏酵素は、N末端のMe+を欠いていたが、酵素学的性質は鶏本来の酵素のそれと差異がなかった。 現在、これと平行して本症例の5種の遺伝子クローンを得ているので、上記方針に沿って解析を進めて行く予定である。
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