研究課題/領域番号 |
61219016
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
黒田 泰弘 徳島大, 医学部, 助教授 (20035471)
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研究分担者 |
武田 英二 徳島大学, 医学部, 講師 (00144973)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高乳酸血症 / 有機酸代謝異常症 / ピルビン酸 / 乳酸 / ジクロル酢酸 / ピルビン酸脱炭酸能 |
研究概要 |
有機酸代謝異常症に関する全国調査によると光天性高乳酸血症の中では特発性高乳酸血症すなわち原因不明の高乳酸血症が大部分を占めている。したがって特発性高乳酸血症の病因究明は早急に行うべき重要な研究課題である。細胞浮遊液に加えられた(1-【^(14)C】)ピルビン酸は細胞質を経てミトコンドリア内に入り、ミトコンドリアマトリックスに存在するピルビン酸脱水素酵素により酸化的に脱炭酸されて【^(14)CO_2】を発する。したがってピルビン酸のミトコンドリア膜輸送を含めピルビン酸代謝異常の検索のために培養皮膚線維芽細胞の(1-【^(14)C】)ピルビン酸脱炭酸能が測定した。培養皮膚線維芽細胞の(1-【^(14)C】)ピルビン酸脱炭酸能は原因不明の高乳酸血症においても対照に比して低下傾向を示したが両者を明瞭に区別することはできなかった。ついで(1-【^(14)C】)ピルビン酸脱炭酸能におよぼすジクロル酢酸(DCA)の影響について検討した。線維芽細胞を10mMDCAを含む培地で3日間培養するとピルビン酸脱炭酸能は対照細胞では約2倍に増加したが原因不明の高乳酸血症細胞ではわずかしか増加しなかった。その結果、高乳酸血症細胞のピルビン酸脱炭酸能では対照細胞の値と重複しなくなり両者を明瞭に区別することができるようになった。この結果はPDHの活性化機構の障害,ピルビン酸のミトコンドリア膜輸送の異常などが高乳酸血症細胞に存在することを示している。このようにDCAを含む培地で培養した皮膚線維芽細胞の(1-【^(14)C】)ピルビン酸脱炭酸能を測定することはピルビン酸のミトコンドリア膜輸送を含めピルビン酸代謝異常をスクリーニングする方法として有用である。
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