• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

Fabry病の亜型と思われる代謝異常症に関する臨床,遺伝学および生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61219024
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関帝京大学

研究代表者

阿部 敏明  帝京大, 医学部, 助教授 (40101117)

研究分担者 小川 希代子  帝京大学, 医学部, 研究助手 (50150660)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
950千円 (直接経費: 950千円)
1986年度: 950千円 (直接経費: 950千円)
キーワード糖脂質蓄積症 / Fabry病 / CTH / 心筋
研究概要

Fabry病は、α-ガラクトシダーゼ欠損によりグロボトリアオシルセラシド(CTH)が全身臓器に蓄積する遺伝性代謝異常症である。筆者らはFabry病を疑わせる所見を生前は全く示さず、剖検時の病理所見により初めて脂質蓄積症の疑いをもたれた2症例をこれまでに経験した。本症例はFabry病の典型例とは臨床経過が全く異なるが、心臓にはCTHが蓄積し、更に他の臓器ではCTHの蓄積が認められない等の共通性を示した。これらの事実よりFabry病の亜型としての可能性が考えられた為、その解析を行った。
1.臨床経過:Fabry病典型例において主要症状とされている四肢疼痛皮疹、発汗障害等は、本症例2例共に認められず、心臓障害以外は蛋白尿が認められるにすぎなかった。又、典型例と比べ高齢まで存命していた(症例1:72才、症例2:58才、典型例:30〜40才)、両例共に刺激伝導障害を示し、著しい心肥大が認められた。
2.各種臓器の脂質解析:本症例の心筋のCTH含量は、16.5or59.8[μmole/g dry tissue]と正常対照の100倍以上の蓄積を示し、典型例と同程度(17.5[μmole/g dry tissue])の蓄積である事が明らかとなった。しかし、他の臓器として腎臓、肝臓を分析すると、その糖脂質含量は腎臓の場合、典型例44.2[μmole/gdry tissue]に対し、症例1;1.5,症例2;3.1,対照;1.2[μmole/g dry tissue]であり、本症例の腎臓には典型例の様な蓄積はなかった。肝臓も同様な結果であった。典型例の肝臓には対照には全くない【Gal_2】-Cerが検出されたが、本症例では認められなかった。
以上の結果より本症例は、心臓のみがFabry症典型例と同様な症状を呈し、他の組織はそれを呈しない事が明らかとなり、Fabry病の発現が心臓のみの亜型の存在が推察された。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ogawa K;Abe T;Yoshimura K;Nagashima K;Nagashima T.: Japanese Journal of Experimental Medicine. 55. 123-127 (1985)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Ogawa K;Abe T;Nagashima K.: Biochim.Biophys.Acta. 878. 292-295 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi