研究概要 |
1.研究の目的 61年度は、標記標題に対し日本語文の意味情報を抽出する方式を中心に研究を行った。 2.研究の内容 日本語文の用言と、この用言と共起する名詞との関係を、「格」の概念を用いた格フレームを明確にすることを目的に、R.C.Schankの提唱する"概念構造"の考え方を基礎として、格フレームを表現することを試みた。 3.解析・分析の方法 実験サンプル文より単語を抽出し、名詞に意味情報(マーカ)を、用言に深層格情報(格ラベル)を付与し、用言をSchankのいう基本ACTに仕分け、当研究において設定した"用言動向機能"(〈OBJECT〉に対する用言の働きの類別)により細仕分けを行い用言単位に"概念決定要因"を分析し、概念構造図を作成し、それを"用言概念構造式"="格フレーム"として示した。 4.結論 日本文の意味構造を、用言を中心として本研究において提示する用言概念構造式により明示できると考える。用言概念構造式の要素は、用言の意味情報(基本ACT),用言動向機能,概念決定要素(格情報)とからなる。 5.今後の研究 概念フレームの基本関数を求めるための実験解析をすすめる。
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