研究概要 |
外乱除去型ヘテロダイン干渉法光ファイバセンサの光学系の構成の検討を行った。 1.プローブ型については、圧力トランスデューサの変位を計測するため:(1)1本の偏波面保存光ファイバに周波数の異なる直交2偏波光を入射して行う方法を検討したが、その伝搬定数の違いがあるため、外乱除去ができなかった。またクロストーク等のため真のヘテロダイン干渉の実現は難しかった。(2)2周波数偏移光を別々に伝送する3ファイバ型プローブを作製した。外乱除去のため、グレイデッド・インデックス型マイクロレンズを特殊加工し、ファイバで受光し途中光路のみの位相を含む参照信号を得、物体の変位と途中光路の位相を含む信号との差動により、物体の変位情報のみを求めた。(3)伝送と受光を兼用するファイバとして、シングルモードファイバとGI型多モードファイバを融着接続して用いた。受光を容易にでき、開口角は10倍大きくでき、またモードセレクタの役目を果たし、鮮鋭度の高いビート信号を得た。(4)検出限界について、光検知器のショットノイズから計算して、【10^(-3)】nm程度になる。(5)応用として、光熱変位,光音響計測に有効に使用できることを示した。 2.光ファイバ自体をセンサとする機能型センサについては:(1)周波数安定化He-Ne横ゼーマンレーザを用いて、外乱の影響を受けにくい光学系を構成した。(2)ゼーマンレーザの直交偏波の不完全性を偏光調整器により改善し、クロストークを少なくできた。(3)光路長差のある干渉計での、レーザ光の周波数安定度の影響について検討したところ、低周波の圧力検出では問題になるが、高周波の圧力検出では問題にならない。(4)圧力検出限界は、長尺ファイバを使用することにより、10μPaというきわめて微小な変位の検出が可能になる見通しを得た。(5)光学系,信号処理の改善,性能評価,さらに進んだシステムの構成は、来年度の課題としたい。
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