研究課題/領域番号 |
61223002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
米光 宰 北海道大学, 薬学部, 教授 (60001038)
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研究分担者 |
中島 範行 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (40188959)
堀田 清 北海道大学, 薬学部, 助手 (50181540)
浜田 辰夫 北海道大学, 薬学部, 助教授 (40001979)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 芳香族スルホンアミド / アミノ保護基 / 光励起電子移動反応 / 蛍光消光 / 量子収率 |
研究概要 |
光励起状態における電子移動を経由する有機反応は、最近の光化学研究の最大のトピックの一つであり、研究例も極めて多い。これは電子供与体と受容体の適当な組合せにより、従来の光反応にない高い官能基,位置,立体選択性をもち、有機合成化学的にも有用な反応の開発が期待されるからである。天然資源に乏しい我国の将来にとって、安価な原料から医薬などの付加価値の高い化合物の創製は極めて重要であり、精密有機合成化学はそのための柱であり、選択率の高い本研究の主題である光励起電子移動反応は、その重要な一端を担いうるものである。 我々は数年前、トシル基に代表される芳香族スルホンアミド類が、電子供与性芳香族化合物共存下、含水溶液中光照射により光励起電子移動を経て容易に加水分解され対応するアミンを高収率で与えることを見出し、これが従来問題の多かったアミノ保護基としてのトシル基の緩和で効率よく高選択的な除去法となりうることを2,3のリジン含有ペプチドの合成で示した。これらを更に発展させるために行われた本研究では、次の成果を上げることができた。1)反応機構の解明。電子吸引性スルホンアミド(A)としてトシルアミド、ナフタレンスルホンアミドなど、電子供与性芳香環(D)としてジメトキシベンゼン、ナフタレンなどを用い、蛍光消光、反応の量子収率、自由エネルギー計算などにより、反応が光励起状態における電子移動を経て進行することを明かにした。2)光脱離性アミノ保護基(DNMBS)の開発。この反応は濃度を上げると効率が上がる。従って分子内にDを共存させたAを合成すると光脱離性アミノ保護基となりうる。各種合成した中で、DNMBS〔4-(4,8-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホニル基(消失の量子収率0.65)が現在のところ最も有望である。
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