• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

半導体薄膜への光ドーピングの解析とそれを利用する高感度画像形成システムの設計

研究課題

研究課題/領域番号 61223008
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

鋤柄 光則  東大, 生産技術研究所, 教授 (20013162)

研究分担者 南 直樹  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10120734)
會川 義寛  東京大学, 生産技術研究所, 講師 (50111563)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード酸化タングステン / フォトクロミズム / 光インターカレーション / 拡散律速 / 有限厚み拡散
研究概要

目的 蟻酸中のW【O_3】粒子に光照射することにより粒子が着色することが見出されており、光インターカレーションと呼ばれている。半導体としてのW【O_3】は、バンド間遷移に相当する波長の光を吸収することにより電子と正孔とを生成し、この正孔は溶液中の還元体を酸化する。この現象はW【O_3】中に電子が注入されたことに対応し、粒子中の電荷中性を保つため陽イオンが注入され着色が起こる。本研究ではW【O_3】蒸着膜を用いこの様な現象を利用した光着色についてその機構及び速度論に重点を起き検討した。
結果 W【O_3】蒸着膜を蟻酸,メタノール,エタノール水溶液と接触させ光照射しその光学密度の変化を分光光度計により測定した結果、蟻酸系では光照射に伴う膜内プロトン濃度の変化は光照射初期段階では時間と共に大きく増加しやがて飽和した。また飽和プロトン濃度は蟻酸濃度と共に増加した。メタノール,エタノール系でも同様な挙動であったが、飽和に達する時間は蟻酸系より長かった。W【O_3】薄膜に固有吸収光を照射すると電子正孔対が生成し正孔は溶液界面で蟻酸を酸化し蟻酸ラジカルとプロトンを生成するが蟻酸ラジカルの電子エネルギーはW【O_3】の伝導帯の位置より高いので更に分解し伝導体にもう1つの電子を注入する。この時更に溶液中にプロトンが放出されるがこれは溶液中と半導体中での電気化学ポテンシャルの差によりW【O_3】中に注入され薄膜が着色することになる。両相での電気化学ポテンシャルの差が大きい程、飽和ドープ量Xsは大きくなると考えられ、測定の結果いずれの溶液でもXs=3.65X【10^(-3)】Cとなり溶質の種類に依存せずこの考え、妥当性が示された。また着色の律速過程はドープ量を時間の1/2乗でプロットした結果及び飽和部分を含めた有限厚みの理論拡散式の適用によりこれは拡散律速であることが示された。溶液中では消色は遅く、空気中での消色はW【O_3】膜中のプロトン濃度に比例する一次反応であると解った。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi