研究課題/領域番号 |
61224007
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
瀬山 一正 広島大, 医学部, 教授 (70034006)
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研究分担者 |
木村 栄一 広島大学, 医学部, 教授 (30034010)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Naチャンネル / 不活性化過程 / クラウンエーテル化合物 |
研究概要 |
生体内信号は情報伝達や筋肉収縮発現の際に発生し、生体機能制御に重要な役目をはたしている。生体内信号の発生は、細胞膜内に埋め込まれたイオンチャンネルにおいて生ずる。多くのイオンチャンネルの内持にNaチャンネルは最も高度に機能的に進化していて分子配列に関しても一次構造が明らかになっている。このNaチャンネルの機能的高次構造を明らかにする事によって各種チャンネルについても理解を深める事ができる。この目標を達するための色々な試みのうち、薬理学的道具を利用してNaチャンネルの機能的構造を明らかにする事は有力な方法の一つである。我々は既に分子末端にグアニディウム基を有するTrypargineが細胞内よりNaチャンネルを正常の不活性化過程と類似した様式で閉塞する事を見い出している。今回、分子末端に同じ様な基を持ち、分子全体の構成がTrypargineに類似したGuanidinium Sidearmed-cyclam(G-cyclam)と末端基を欠いたcyclamとのNaチャンネルへの影響を調べた。実験は、イカ巨大神経において膜電位固定法と細胞内潅流法を併用して行われれた。得られた結果は下記の如くである。(1)1mM濃度まで細胞外からG-cyclamはNa及びKチャンネルに影響しなかった。しかし、cyclamはKチャンネルの抑制を生じた。(2)細胞内からはいづれも膜電位依存性及び時間依存性にNaチャンネルを抑制した。(3)受容部との結合は一対一で生ずると仮定した容量-作用曲線は測定値と良く一致した。G-cyclamの場合、Ko(E)=4.74×【10^(-4)】×exp(-0.013E)(Eは膜電位)となった。(4)速度論的解析から結合の速度定数b=8×【10^(-3)】(1/sec)解離の速度定数l=0.65×exp(-0.015E)(1/sec)となった。cyclamについては着脱が速いため正確な値は得られなかった。(5)【Na^T】の濃度匂配が細胞外から内へ向いている際にはDrugの受容部との結合は一定であったが逆方向ではG-cyclamの場合K0(E)=-1.80×【10^(-4)】exp(-0.035E)となった。(6)Drug結合状態で不活性化はなかった。
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