研究課題/領域番号 |
61227002
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
徳永 史生 東北大, 理学部, 助教授 (80025452)
|
研究分担者 |
片岡 幹雄 東北大学, 理学部, 助手 (30150254)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | バクテリオロドプシン / センサ素子 / 紫膜 / 高度好塩菌 / 再構成 |
研究概要 |
(目的)機能性蛋白質を用いて高安定性、高性能のセンサを開発するために非常に安定な光電変換蛋白質バクテリオロドプシン(bR)を用いてその機能の内部機構を解明し、バクテリオロドプシンの安定性の秘密と機能を構造面から解明することを目的する。(結果と考察)本年度はまずbRを蛋白質分解酵素キモトリプシンで1ケ所のみ切断した試料(Ch-bR)を用いた。この試料は切断によって2つの断片に分れるが、バラバラにはならず疎水的相互作用によって膜構造は保たれている。しかし、切断によってその熱的ゆらぎが増大すると考えられる。このことがbRの光反応や機能にどのような影響を及ぼすかを調べた。bRはrigidな構造をしており、そのままでは酵素が作用しにくい。そこでbRからレチナールを外したものを作り、それに酵素を作用させ、切断されていることを電気泳動法により確認してから再びレチナールを加え、Ch-bRを調整した。Ch-bRの諸性質をnative bRと比較した結果から次のようなことが分かった。(1)レチナール近傍の微環境を反映しているスペクトルの形状、K中間体の生成過程には変化がないことからCh-bRでのレチナール近傍の微環境は保たれている。(2)一方蛋白質の構造変化を伴うことが期待されるレチナール結合速度、脱塩による青膜の生成、暗順応などでは変化がみられた。(3)O中間体はその生成量が大幅に減少し、光プロトンポンプ活性の効率は著しく減少した。Ch-bRではレチナール近傍の微環境は保たれており、光プロトンポンプ活性は失われていないが大きくその効率が低下することが分かった。このことはbRのrigidな構造が効率よい機能のために必須であることを示していると考えられる。次に2本のペプチド断片を分離精製し、それらを用いて再構成を行なった。各断片のみでは色素は再生しなかったが、両断片を混ぜて用いると色素が再生し、光プロトンポンプの機能も回復することが分った。
|