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高性能化学センサとしての昆虫味覚システム

研究課題

研究課題/領域番号 61227003
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

嶋田 一郎  東北大, 教養部, 助教授 (50108429)

研究分担者 中尾 光之  東北大学, 情報処理教育センター, 助手 (20172265)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード化学センサ / 味覚 / 受容サイト / 多チャネル情報処理 / 分子識別 / ウェバー比
研究概要

ハエの味覚システムの情報処理過程の解明を通して、新しい高性能化学センサシステムの原理を開発する。本年度においては、ハエの糖受容器をRサイトにおける光学異性体の高選択性のメカニズムを解明し、さらにショ糖濃度の高感度識別機構を多チャネル情報システムとして解明した。
1.ハエ糖受容器のRサイトのキラル特性
Rサイトには、脂肪族アミノ酸とならんで、ジペプチド類が反応する。D型のアミノ酸は全く刺激性がないが、N-Ac-D-Valが明瞭な刺激性を有し、かつN-Ac-L-Valより刺激性が高く、アセチル化によるD型,L型の刺激性の逆転が見いだされた。各種のN-アシル-D-Valの刺激性の解析から、Rサイトに、新たに疎水性のサブサイトの存在が示唆され、これとアシル基の結合によってN-アシル-D-Valの刺激性が出現すると考えられる。D-Valは、その遊離のアミノ基が親水のためにこのサブサイトとは結合できずに、刺激性を有しないのである。このように、Rサイトにおける光学異性体の識別は絶対的なものではないが、厳格な構造特異性は保持されている。
2.ショ糖濃度高感度識別と多チャネル情報処理
20時間絶食したショウジョウバエは、10.0mMショ糖液に対し10.25mMを選択的に摂取し、その差は統計学的に有意であった。この識別感度をWeder比で表すと0.025となり、これは今までの味覚の最高の識別感度である。そこで報告者は、ハエの味覚器を多チャネル情報処理系として捉え、nコの糖受容器における相互情報量をSmithら(1983)のデータに基ずいてコンピュータによる数値計算を行った。結果は、nをさらに大きくすれば、さらに細かい濃度段階を識別し得ることを示している。従って、ショウジョウバエの高いショ糖濃度識別力は、多数の糖受容器からの情報の統合によって十分可能である。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ichiro Shimada;Mitsuyuki Nakao;Yoshiyuki Kawazoe;Ed.T.Shibuya: Proceedings of the 20 th Japanese Symposium on taste and smell. 20. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Ichiro Shimada: Chemical senses. 12. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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