研究課題/領域番号 |
61227012
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
辻田 義治 名古屋工大, 工学部, 助教授 (70016591)
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研究分担者 |
木下 隆利 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60135407)
滝澤 章 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90016262)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 多価金属イオンセンサ / ポリペプチドアニオン / ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド / ジステアリルリン酸ナトリウム / 多価金属イオン / ポリペプチドアニオン-二分子膜系の構造 / 静電的相互作用 / 疎水性相互作用 |
研究概要 |
生体膜の多価金属イオンに対する受容・応答の概念を基本理念にして高感度多価金属イオンセンサとして応用すべく分子設計したポリペプチドアニオンーニ分子膜糸の基本構造に関する知見を得た。ポリペプチドアニオンにはポリ(L-グルタミン酸)(PLGA),コポリ(ステアリル-L-グルタミン-L-グルタミン酸)(SG/GA)およびアゾベンゼンを側鎖に有する(メチル-L-グルタメート-L-グルタミン酸)共重合体(a20-MG/GA)を用いた。一方二分子膜成分にはカチオン性のジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(DSACl)とアニオン性のジステアリルリン酸ナトリウム(DSPNa)を用いた。また各ポリペプチドアニオンの側鎖に1-アミノ-8-アニリノナフタレンを導入した試料を各々の二分子膜系に適用した蛍光スペクトルより二分子膜系の構造を解析した。PLGA,SG/GAは静電的相互作用に基づきカチオン性のDSACl二分子膜表面に安定に固定されることが明らかになった。アニオン性のDSPNa二分子膜系ではPLGAおよびSG含率12%のSG/GAは各々膜表面との静電的反発のため二分子膜から離れて存在した。しかしSG含率31%のSG/GAはSG側鎖と二分子膜内部との疎水性相互作用が効果的となり膜表面に固定可能であるとの知見を得た。さらに光応答性のポリペプチドアニオンa20-MG/GAは暗中ではDSACl二分子膜内部に存在するが光照射により側鎖アゾベンゼンが異性化してその極性が増加し疎水性膜内部での存在が不安定となるため膜内部から膜表面へ移動することが明らかとなった。このことは金属イオン受容体としてのポリペプチドアニオンの存在位置の光制御の可能性を示唆するものである。これらの結果より多価金属イオンセンサの基本骨格であるポリペプチドアニオン-二分子膜系の構築およびその詳細な構造が判明したものと考えられる。
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